シュークリーム作りで、
シュー皮が上手く膨らまない。
途中まで膨らんででいたのに、しぼんでまった
なんてことありませんか?
徳島特産素材のフランス菓子講座コースでは
阿波和三盆糖のザクザクシューの回で、
シュー生地を学びます。
「失敗以来、買うものになっていました。」
との受講生さんが、
「いい感じに、ふくらみました!!」
とご報告をいただくと嬉しくてガッツポーズしています。
成功の理由は
シュー生地が膨らまない3つの原因を
すべてクリアできたから。
1つが欠けても、
膨らみが悪い、形がいびつ、膜がいっぱい…とか。
何かしらの問題が起こります。
シュー生地をマスターされ、
販売に向けて商品開発している受講生さんの事例ものせました。
合わせてご覧ください。
膨らまない原因と対処法がきっと見つかりますよ!
シュー皮がふくらむ3つの魔法の言葉
魔法の言葉を唱えながら作ると
ポイントを押さえて作れるんです。
①泡のおふろへダイブ!
②逆三角形べろべろ
③はじめ高温、扉イヤイヤ、みぞ茶色
はい、
シュー生地をよく作っている方は
きっとあのことね~と分かるはず!?
想像できましたか?
この言葉は3つのポイントを表しています。
粉の加熱、卵の量、焼き方
では、詳しく解説していきますね。
動画でポイントを確認しよう
動画でご覧いただくシュー生地成功のポイントについて
このあと詳しく解説していきますね!
粉の加熱
最終的なカギは糊化(α化)です。
糊化とは?
ご飯を思い浮かべて下さい。
米に水を入れて炊くと、
お米のでんぷんに粘りが出てやわらかくなりますよね。
シュー生地に置き換えると
小麦粉に水を加えて加熱すると起こるのが、
でんぷんの「糊化」という状態。
糊化に欠かせないのが加熱です。
大切なのは、しっかり加熱して
粘りのあるのり状(糊化)にすることです。
膨らまない多くの原因は、
ズバリ!加熱不足でした。
1回目の加熱
具体的にどのように加熱したらよいのか?
解像度を上げていきましょう。
シュー生地には2回の加熱があります。
まずは1回目。
鍋に水分(牛乳とか水)+油脂(バターなど)を沸かして
粉を加えてひとかまりにする工程。
このときに、わーっと沸きあがっている泡を
目がけて粉を一気に入れます。
これが、泡のおふろへダイブ!です。
しっかり熱が入ることで
ころんとした、団子状になります。
2回目の加熱
ひとかたまりになった生地を
火にかけながら鍋の中で混ぜるのが
2回目の加熱です。
1回目では不十分なので
さらに糊化を進めるのです。
↑
対面レッスンでの実習風景
木べらで練りながら加熱します。
ここで、加熱不足まま次のの工程へ行くと、
ふくらみの悪くなったり
シューの空洞の中の膜が多い状態になります。
次は、加熱に関して生徒さんから
よくいただく質問を取り上げます。
鍋底に膜がはるまでは正しくない?
「鍋底に膜がはるまでが目安」
とレシピで見ませんか?
よくある定番の見極め方法です。
半分正しく、半分は正しくないと思います。
なぜなら、
膜だけでは判断できないから。
もしも…
フッ素加工の鍋だったら?
小麦粉の配合が多いレシピだっら?
火が弱すぎた場合は?
条件によって、
膜がはらないことがあるんです。
ちなみに、上の実習風の写真は
フッ素加工の鍋を使ったので、膜ははりません。
ではいったい、
どれくらい火にかけたらいいの?
加減が分かりません、と相談を受けます。
加熱の目安は〇℃
生地の温度が、80℃以上になるまでです。
80℃とは小麦粉が糊化しきってない温度。
さらに加熱し続けると、油脂がにじみ出てきます。
そうなると、
次の工程で入れる卵が吸収しにくくなるのです。
なので、この段階では、
80℃もしくは、80℃をやや過ぎるくらいに
とどめておき、
あとはオーブンで焼いて糊化させるのです。
オンラインレッスンでは、
お使いの鍋、混ぜ方の問題などで
加熱ムラになっているケースがありました。
「ご指摘いただいて、確かに!と気づきました。」
「理論を知って、実習で答え合わせできて良かった。」
「見極めに自信がなかったけれど、
加減が分かりました。」
とのお声をいただいています。
卵の量
加熱後の次は、溶き卵を加える工程があります。
ここでの注意ポイントは、卵を全量加えないこと。
卵が入る量は一定ではなく、毎回変わるからです。
ちょうどよい固さは、ボウルを傾けて
生地をたっぷりヘラですくって落として確認。
ヘラについた生地が、
逆三角形になり、やや透明感があって
ゆらすと、べろべろする状態。
これが、逆三角形べろべろ と呼んでいる状態です。
生地をヘラで落とすと逆三角形にたれ下がっていますか?
生温かいですか?
ツヤがあってなめらかですか?
作業に何か問題があります。
卵の量はなぜ変わるの?
はじめの加熱の程度によって
卵の吸収量が変わるからです。
かたさを見ながら、
最後の方は少しずつ加えて調整します。
卵を加えすぎると?
絞ったときに横に広がってしまいます。
上手く膨らまないです。
卵の入れすぎは修正がききません。
残念ながら、新しく作りなおすしかありません。
↑
だらだら~と流れがら入れすぎ。
卵が足らないと?
シュー生地が固くなります。
膨らんだとしても、
もこもことした亀裂が均等に入りません。
上に帽子がぼこっとのったようになったりと
形がいびつになります。
↑
ボツッと生地が切れたら固すぎ。
生地はかたすぎても
やわらかすぎても上手く膨らみません。
卵を多く入れても固くてブツッと切れる原因
卵を全量加えて、さらに足したのに
逆三角形にならない。
ボツッと切れる。
ときは、卵を加える作業が
ゆっくり過ぎた可能性があります。
時間がかかると生地の温度が下がって、
小麦粉のでんぷんが
かたくなってしまうからです。
そうなると、
生地のかたさの判断がしずらくなります。
卵が残っているのに生地ドロドロの原因
逆に、分量の卵が多く残っているのに
ドロドロにやわらかいこともあります。
その原因は、加熱不足からきています。
…というように、
前の作業の結果が、次につながって
今の状態を作っています。
↑
シューツリーと、シュケットの実習風景。
zoomを通してでも、実習を見せていただけると
より的確なアドバイスができます。
焼き方
シューが膨らむのは?
ざっくり言うと、
生地の中の水分が蒸気になって餅みたいにふくらむから。
はじめは高温で焼かないと蒸気になりません。
私は190~200℃で焼いています。
シュー生地は焼いている途中で
オーブンをあけると「しぼむ」から
絶対に開けちゃダメ!
との鉄板のルールがあります。
亀裂の溝の奥が、茶色になるまで焼き込んでから出します。
これが、
はじめ高温、扉イヤイヤ、みぞ茶色
というわけです。
オーブンから出したらしぼんだ
「扉は開けなかったし、十分ふくらんでいました。
焼けた!と思って出したら
みるみるうちに、しぼんてしまって」
受講生さんからの相談。
焼き足りないことが原因です。
オーブンの性能には差があって
火のあたりが強、弱い、ムラがあるなどさまざま。
だからこそ、
シューの亀裂の奥の焼き色をよく見るんです。
火が最もとおりにくいのが亀裂の部分。
薄くなかったですか?
生地が生焼けで出すと、
空洞にある水蒸気などが収縮します。
温度が下がったとたん、
割れ目から凹むようにしぼむのです。
レシピ通りの温度で焼いたのにしぼんだ理由
シュー生地は上手くできているのに
どうしても上手くふくらまない生徒さんが
以前いらっしゃいました。
頑張って調整すると膨らむもの
一部がどうしても焦げます。
そこで、試したもらったのは
庫内温度計を購入いただいて
はかってもらうこと。
すると、驚くことが分かったのです。
表示温度との誤差が、なんと60℃以上!
しかも、上がったり下がったり。
温度が一定してない。
原因は古いオーブンでした。
求めるクオリティにするためにも
その後、お正月セールで
欲しかったオーブンに買い替えられました。
シュー菓子はレッスンや販売におすすめ
シュー生地は、教室のレッスンに取り入れても
販売するのもおすすめです。
なぜなら、スーパーにある材料で作れるので
生徒さんが作りやすく、
差し上げると、お子さんからお年寄りまで喜ばれるから。
生地は冷凍すると効率よく販売も可能です。
生徒さんの販売につなげる事例
原材料にこだわる、身体にやさしい
シフォンケーキ専門店を営んでいる
受講生さんの事例です。
今や、四季を通じて30種類以上の
シフォンケーキを販売されています。
ロールケーキの技術がなくて。
お客さまの依頼をお断りしています。
シュークリームを販売したいが
知識とスキルを手に入れたいと受講下さっています。
オリジナルのシュークリームを開発して販売したい」
差別化できるシュークリームを考えていきます。
他メニューに展開したい。
お客さまの二-ズに応えたい。
オンラインだと、仕事を続けながら学べます。
商品開発のご相談にものっています。
シュー生地を使ってバリエーションを広げる
シュー生地のお菓子は
本が1冊できるほど、バリエーションがあって
基礎をマスターすれば、応用が広がります。
クロカンブッシュ
ウエディングでも人気です。
ひんやりアイスと
温かいチョコレートソースがからみ合う
プロフィットロール
リングに絞るとパリブレスト
パリとブレスト(ブルターニュの町)
との間で行われた、自転車レースを記念して
車輪をかたどったお菓子です。
手のひらサイズのミニパリブレスト
棒状に絞るとエクレア
エクレアレッスンは、とても人気です。
他にも、ルリジューズ、サントノーレなど。
シュー生地っぽく見えなくても
こちらもシューを使ったお菓子なんです。
フルーツのスフレロール
揚げる、焼く、煮る
シューを応用したお菓子は他にもあります。
レッスンのおまけで紹介すると
繰り返し作って下さる方が多かった
フランス風ニョッキ
想い描くレシピを作ったり、
アレンジしていくには、製菓理論の土台があればこそです。
オンライン講座で学ぶと
お仕事の現場で頼りにされ、
自信をもって作れる知識が12ヶ月で手に入ります。
この内容を動画でご覧になりたいときはこちらから
21:30~ 53回
ハピーツスーツライブの録画です。