粉砂糖を買いに行ったら、グラニュー糖100%の純粉糖と
そうでないもの、コーンスターチ入りの粉砂糖がありました。
どのような違いがありますか?
使い分けはどうしたらいいですか?
受講生さんから質問がありました。
「粉砂糖」とレシピにあっても、
実は4種類あります!
いつもと同じように作ったのに
状態が違うとき、粉砂糖が原因かも?
粉砂糖の違いを比較しながら、
使い道・代用についてパティシエが解説します。
粉砂糖には4種類ある
粉砂糖は4つの種類あります。
純粉糖
コーンスターチ入り粉砂糖
オリゴ糖入り粉砂糖
プードルデコール(デコレーション粉糖)
粉砂糖を買いにいって原材料を見たら
「あれ?」と、初めて気付いて。
疑問がわいてきた。
「調べてみたけど、
自分にとって分かりやすい情報がなくて。」
確信がもてずモヤモヤ…
という流れで、質問される生徒さんが多いです。
このブログをご覧になっている方もそうではないでしょうか?
最後までご覧いただくと、
違いと、使い道がスッキリと分かるよう
分かりやすく解説させていただいますね!
ちなみに…
「粉糖」と略してレシピに書く場合がありますが
「粉砂糖」のことです。
グラニュー糖と粉砂糖の違い
そもそも粉砂糖とは何か?
ということを説明しますと。
パウダー状にしたものです。
講座のお菓子づくりでは、
グラニュー糖よりさら細かい
微粒(細目)グラニュー糖を中心に使います。
コーンスターチ・オリゴ糖はなぜ入っている?
コーンスターチやオリゴ糖を混ぜているのでしょうか。
純粉糖は湿気を吸ってダマになりやすいです。
しっかり密閉できる容器や袋に入れて
気をつけて保存していても固まってダマになります。
コーンスターチやオリゴ糖を、
3%ほど混合することで固まりにくくしているんですね。
溶けやすさの比較実験
合わせてチェックしてみてください。
粉砂糖
水はクリアな透明感。
もっとも溶けやすいことが分かりました。
コーンスターチ入り
水が白濁しました。
コーンスターチはとうもろこしのでんぷんです。
砂糖だからといって、グラニュー糖の代用として
透明なゼリー、紅茶の甘み付けに使うと
白濁してしまうため、適さないことが分かります。
オリゴ糖入り
純粉糖と同じくらいスーッとと溶けました。
透明感は高いですが
底にわずかに、白い粒が見えます。
プードルデコール
溶けずに水面に浮きます。
1時間後も沈まず、残っていました。
これは、粒子が油脂でコーティングされて
耐水性があるためです。
つまり、お菓子にかけても、すぐに消えてしまわず
長時間白く残るわけです。
溶けやすさの順番
以上の結果から、溶けやすさは下記です。
純粉糖>オリゴ糖入り>コーンスターチ入り>プードルデコール
コーンスターチ入りは濁るため
溶けやすさに関しては正確に比較できませんでしたが
ざっくり捉えてこんな感じです。
純粉糖とは
グラニュー糖をパウダー状にしたもので
グラニュー糖100%の粉砂糖です。
固まってダマになりやすいため
湿気に十分気をつけて密閉して保存します。
使用するときは必ず、粉ふるいでふるいましょう。
混じりっけのない砂糖なのでスッキリとした味です。
生地への分散がとても良いので
水分の少ない生地にも溶けて馴染みます。
ダマになるものの、オールマイティに使えるので
迷ったら純粉糖にすると間違いないです。
オリコ糖入り粉砂糖とは
オリゴ糖を3%ほど添加して
固まりにくくした粉砂糖です。
サラサラしていてダマになりにくく
味は純粉糖と違いを特に感じません。
使用感は、グラスアローやアイシングに使うと
のびがよくなり、ゆっくりと乾きます。
シュトーレンにまぶすと
純粉糖に比べて溶けにくいので使用することがあります。
以前は、純粉糖にこわだっていましたが
最近はダマならないオリゴ糖入りの方をよく使っています。
コーンスターチ入り粉砂糖とは
画像はスーパーの製菓材料コーナーにあった粉糖です。
原材料名のところをチェックすると分かりますよ。
コーンスターチの影響から、
グラスアローやアイシングに使うと
早く乾くので短時間で仕上げられます。
向き不向きは、
早く乾くのをどう捉えるか、用途によります。
また、透明の液体は白濁するので
透明感を大事にするゼリーには向きません。
クッキーに使うと食感が、
少しだけやさしい感じになります。
それを狙って使うのも有りです。
このへんは、意見は分かれるところです。
食感の違いを敏感に気にされるなら、
比較されてから選ぶと良いと思います。
ちなみにはコーンスターチ入りは基本使いません。
プードルデコールとは
デコレーション用粉糖、トッピング用粉糖
なかない粉糖など、商品名によって表記が変わります。
プードルデコールはフランス語で
プードル=粉、デコール=飾り
「飾り用の粉」という意味です。
粉糖の粒子を油脂でコーティングしているため
湿気につよく、タルトのふちや、ガトーショコラ
シュトーレンなどに最適です。
冷凍・冷蔵しても白く残ります。
ケーキを魅力的にみせられるので
私にとっては、欠かせない素材です。
クッキーの粉砂糖をグラニュー糖で代用できる?
タルト生地や、クッキーには
一般的には粉砂糖を使います。
でも、スポンジ生地や、バターケーキなどには
グラニュー糖をよく使います。
どうやって使い分けているの?
クッキー生地は、グラニュー糖で代用できないの?
と思ったことはありませんか。
粉糖と、グラニュー糖の使い分けの1つに
「溶けやすさの違い」があります。
クッキー生地は水分が少ないですよね?
バターの水分は17%以下。
卵を加えたとしても少量なわけで。
グラニュー糖や、粗製糖のような
粒子の大きな砂糖で代用すると
溶けきらず、クッキー表面にツブツブが
浮き出ることがあるんです。
オンライン講座の
オリジナルレシピのクッキー生地は卵が入りません。
水分が少ないため「粉砂糖」を使います。
ないからと、他の砂糖で代用されると
作れないことはなくても見た目や食感が別物になります。
正しい仕上がりを再現できるよう
レシピに合わせた最適な材料を
材料セットをお送りしてます。
水分量が多いため、粒子が大きなグラニュー糖でも
きちんと混ぜたら溶けてくれます。
フランス菓子マンツーマンプロコースでは
このような素材学について学んでいきます。
生徒さんには
「こういうことを知りたかった!
探していた先生をやっと見つけることができた!」
と言っていただけています。
理論を分かって人に伝えたい
失敗の理由を自分で解決する知識をつけたい方の
お力になれますのでご相談ください。