「ハンドブレンダーとフードプロセッサー、どちらを買うべき?」
「スコーンはフードプロセッサーと卓上ミキサーどちらを使いますか?」など
2つの違いを知りたいとの質問を定期的にいただきます。
そこで、お菓子づくりで使用される機械、
ミキサー、フードプロセッサー、ハンドブレンダー、卓上ミキサー
4つの違いをまとめて解説します。
機能の違いを知れば、迷うことなく使いわけができるようになります。
ミキサーとは?
固形の食材に水分を加えると、をなめらかな液体になります。
例えばスムージーづくり。
バナナやりんご、野菜を入れてジュースにするには便利です。
このとき、固形の素材だけでは均一に回らないらないので
最低限の水分量は必要です。
刃は本体と一体型のため、取り外して洗うことができません。
以前、ロースイーツをお教えしていた時はミキサーは必須道具でした。
浸水したナッツを、水分とともにペースト状にしたものをベースに
さまざまなお菓子に展開できます。
フランス菓子ではどうでしょう?
使えないことはありませんが…
お菓子教室のメニューでは、ハンドブレンダーですむので
出番はなく、自宅でジュース作りや料理に活用しています。
ハンドブレンダーとは?
片手で握って操作できるハンディタイプのブレンダーです。
手軽に使えて、少量の材料をペースト状にできます。
熱した鍋の中で接攪拌できるのは便利。
お菓子づくりでは主に以下の目的で使います。
乳化を安定させる
チョコレートと生クリームを混ぜたガナッシュを
なめらかに乳化させるときなどに使います。
「乳化」という点では、マヨネーズ作りも同様。
数秒でキレイにつながります。
固形のものを粗くつぶす
バナナをつぶす。
粘りのあるものをなめらかに混ぜる。
チーズケーキを手軽につくるときなど。
失敗してモロモロになったときのリカバリー
アングレーズソースが加熱時にモロモロ固まったときにも使えます。
正確にはリカバリーでにはならないのですが。
使える状態に戻すことはできます。
これ以外に、付属のアタッチメントを付けて
つぶす・すりつぶす・混ぜる・泡立てる・砕く・刻むなど、
1台で多機能に活用できます。
フードプロセッサーとは
固体をより細かく粉砕する作業が得意です。
アーモンドをパウダー状に加工したり、
キャラメリゼしたナッツを攪拌し続けると、
プラリネペーストができます。
お菓子づくりでは3つのメリットがあります。
冷たい状態をキープして短時間で混ざる
例えばタルト生地づくり。
手作業だと5分かかるところを、数秒まわすだけで、
ムラなく混ざり、時短で生地が完成します。
手作業に比べて作業時間を短縮できて、
温度上昇を最小限に抑えながら、均一な仕上がりにできます。
グルテンをおさえてサクッと仕上げる
お菓子づくりは、グルテンを出し過ぎないように
コントールすることで
クッキーなどもサクサク!仕上げられます。
過剰なグルテンを出さず、状態よく生地が仕上げることは
食感の良さにつながります。
下準備の手間がへる
例えば、タルト生地を想像してみてください。
手作業でつくるレシピは、
バターを室温に戻してクリーム状にしたり
卵も冷蔵庫から出しておく必要があります。
小麦粉を粉ふるいでふるう必要もあります。
一方、フープロを使ったレシピでは
バターや卵を室温にもどす必要がありません。
冷たい状態のまま、すぐに作りはじめられます。
粉類もふるわなくていいのです。
この時間や手間を短縮できるのは大きいと思いませんか?
フードプロセッサーだと冷たい状態のまま、すぐに作業を開始できます。
卓上ミキサーとは?
混ぜる、泡立てる、こねる作業を任せることができます。
ハンドミキサーだと、作業中は手が離せませんが
卓上ミキサーなら他の作業をしながら、同時進行で攪拌できます。
高パワーで大量の生地を混ぜる、クリームやメレンゲを泡立てるなど
重労働を必要とする作業を助けてくれます。
お菓子の大量生産には必須アイテムと言えます。
付属のアタッチメント
ワイヤーホイップ、平面ビーター、ドウーフック
を用途に合わせて付け替えます。
ワイヤーホイップ
生クリームや、生地の泡立て、イタリアンメレンゲなど
平面ビーター
パイ生地などすり混ぜるなど、空気を含ませないで混ぜられます。
ドゥーフック
主にパン生地など、粘りや固さのある生地を混ぜます。
機種によっては、食材を挽いたり、パスタづくりなどの
アタッチメントが用意されており、お菓子だけでなく料理の幅も広がります。
使分けが混乱しやすい原因は?
呼び方が統一されてない、アタッチメントの多さです。
呼び方が統一されてないこともある
日本ではフードプロセッサー、ブレンダー、ハンドミキサーの総称を
「ミキサー」と呼ぶことがあります。
ハンドブレンダーを日本で売り出すときに
「ミキサー」と呼ばれていた経緯があったり、
ミキサーをブレンダーをよぶメーカーも。
今はたいたい統一されているように思いますが
略して呼ぶこともあるので、初めてだと混乱しそうです。
アタッチメントが多い
複数のアタッチメントが付いて、1台で何役もこなすものは多いです。
簡易なフードプロセッサーが付いていたりしますよね。
オンラインレッスンしていると、
フープロを持っている=ブレンダー付属のフープロだった、
という場合も多いです。
お菓子づくりが上達してくると、
「ちゃんとしたフードプロセッサーはあった方がいいですか?」
と相談を受けることもあります。
受講生さんQ&A
受講生さんから以前いただいた質問とエピソード。
ライブでこのテーマを取り上げたときの質問をシェアします。
キッチンエイドミニは生クリーム100mlは泡立つ?
キッチンエイドミニは生クリーム100mlの少量から拌可能と
宣伝されているのですが「できる」と「向いている」は別でしょうか?
キッチンエイドは大きなサイズを使っています。
ミニで泡立てるとどのような状態になるのか、試してないので分かりかねます。
ですが攪拌可能だと説明書にあるなら可能だと思いますよ。
購入するときは、扱う材料の最小単位と最大単位に注意する必要があります。
材料が少なすぎると空回りしてうまく回らないことがあったり、
材料が多すぎても飛び散ってうまく混ざらないことがあります。
生クリームは、ボウルに対して大量に仕込むと
空気を抱き込む量が少なくなってダレやすくなったります。
将来的にどの量で作るか視野に入れて、購入を検討してみてください。
パンこねは、卓上ミキサーとニーダーどっち?
パン生地を作るのには、卓上ミキサーとパンこね機のどちらが適していますか?
どちらも作ることができます。
機械に自分が合わせていくことが大事だと思います。
ニーダーは種類があり、私がもっているのは
下に羽があってこねるタイプ。
卓上ミキサーと、ニーダーで同時に同じ生地をこねたことがありますが
こね時間、生地のなめらかさ、温度に差が出ます。
使っているニーダーは、機械のモーターの熱で生地温度が上がりやすいです。
その点、卓上ミキサーは温度が上がりにくく
バターを加えるとパワーが強いので早く混ざります。
生地によっては、ニーダーの方がグルテン膜が薄く
なめらかに出来ていたこともあります。
違いはあっても、最終的にはちゃんと仕上がりましたので。
器械のクセを分かって仲良くなっていくのが良いと思います。
オーブンと同じですね!
タルト生地を機械つくると下に沈んで空回りする
タルトレットを機械で作ったのですが、生地が下に沈み空回りする。
微量にしか混ぜられず、結局手で作りました。
「どんな機械で作りました?」とお聞きして、届いた写真が上のミキサー。
ミキサーではタルト生地は作れません。機能も役割が違うから。
ざっくり言うと大きな違いは、
フードプロセッサーは「固体」→「小さな固体」
ミキサーは「固体」→「液体」にする点です。
フードプロサッサーでどんなお菓子が作れる?
フープロをついに買いました!色んなお菓子を作ってみたい
のですが、何がおすすめですか?
クッキーやタルト生地、スコーン、パイ生地、
チーズケーキ、マフィン、ワンボウルで混ぜるお菓子など。
YouTubeには、フードプロセッサーでつくる
マンゴーのベイクドチーズタルトの作り方もアップしています。
もっているけど、戸棚にしまいこんでいる方も
便利さが実感できれば使う頻度が上がるはず。
器械は積極的に取り入れて、効率よく、楽しく!
お菓子づくりを続けていきましょう。
まとめ
フードプロセッサー、ハンドブレンダー、ミキサー、卓上ミキサーの主な機能
ミキサー、ハンドブレンダーは攪拌「固体」→「液体」
フードプロセッサーは粉砕 「固体」→「小さな固体」
卓上ミキサー(スタンドミキサー)は混ぜる、泡立て、こねる
手で混ぜる行程を簡略化することができる。
4つを違いを知って、お菓子づくりに使い分けててみてください。
和モダンフランス菓子のプロコースでは
私の場合はどうすれば?と迷ったときに
目指す方向性、手持ちの道具、環境をふまえた上でアドバイスしています。
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