お菓子のレシピで、ボーメ30度シロップという言葉を
見ますが、何のことですか?
という質問がありました。
「初めて聞いた。使ったことないし…」
とスルーしそうになった方、ちょっとお待ちください!
コーヒーなどに入れる、ガムシロップにもなる、
お菓子屋さんの基本シロップです。
お菓子屋さんの基本シロップです。
プロは、お菓子の「甘さを決める軸」にしています。
ボーメ30°シロップとは何か?
作り方の手順、ボーメ18°シロップとの違い、
糖度を簡単に計算する方法を解説します。
糖度を簡単に計算する方法を解説します。
ボーメ30度シロップとは?
お菓子屋さんなどの業界で使われる、専門用語です。
本格的なお菓子を作るレシピによく出てきます。
平たくいえば「砂糖水」のこと。
「ボーメ」=シロップの糖度(比重)の単位。

比重計ではかります。
この比重計を発明した、フランス科学者ボーメさんの
名前にちなんで名づけられたそうです。
では、さっそく作ってみましょう!
ボーメ30度シロップの作り方
≪材料≫
水…100g
グラニュー糖…135g
≪作り方≫
片手鍋に水、グラニュー糖を入れて泡立て器で混ぜる。
火にかけて、泡立て器で混ぜながら砂糖の粒を完全に溶かす。
沸騰したら火をとめて、できあがり!

砂糖の量はレシピによって幅があります。
130gで作る人もいるし、
例えば製菓衛生士教本では125gとなっていたり。
私の場合は、135gを基本に作っています。
なぜボーメ30度なのか?
「砂糖が135gって…多すぎない?。すっごく甘そう~~」
はじめて見る方は、びっくりですよね。
でも、この量には科学的な根拠があります。

保存性
菌が繁殖できない濃度なんです。
常温でも腐らせずに保存することができるそう。
とはいえ、私は心配なので冷蔵保存していますが。
お菓子屋さんみたいに使う機会が多くないし、
そのつど作って早めに使いきっています。
よく使うなら、多めにストックしておくと便利ですよ。
安定性
使い方はこの後説明しますが、
例えばパイの上に塗る場合、ボーメ30より砂糖を減らすと、
例えばパイの上に塗る場合、ボーメ30より砂糖を減らすと、
パイ生地にシロップが染みこんでしまいます。
反対に、砂糖が多いと白っぽく結晶化しやすくなる。
ボーメ30度は、科学的にも理にかなった糖度なのです。
ボーメ30度シロップの使い方
パイ生地のツヤを出したいときに使います。
アップルパイや、ガレットデロワなどですね。

パイが焼きあがったらオーブンから出して
ボーメ30シロップを刷毛で塗ります。
再びオーブンに入れて数分焼成。
みるみるうちに、ツヤッとした光沢が付きます。
初めて学んだときは、まるで魔法みたいで!
数日興奮が冷めず、早く試したくて、ウズウズしたほど 笑
その他には、エクレアの上にかけるフォンダン(砂糖衣)
が固いときに加えてのばします。

ボーメ18度シロップの作り方
ボーメ30度シロップを水分で薄めると
ボーメ20度や、ボーメ18度のシロップも作れます。
濃縮めんつゆみたいですね。
そのまま冷奴にかけたり、ちょっと薄めて丼ものに。
さらに薄めて煮ものに…と
さらに薄めて煮ものに…と
ボーメ30度シロップを薄めて、他のシロップに使えるのです。
ボーメ30度シロップに、同量の水分を加えると、
ちょうどボーメ18度です。
水分はお酒でもOK。
後味がよりシャープになります。
後味がよりシャープになります。

ブリックス度(Brix)とは?
糖度をはかる方法は、実はもう一つあります。
ブリックス度です。
屈折糖度計をつかって光の屈折率で測定します。
ブリックス度です。
屈折糖度計をつかって光の屈折率で測定します。
なぜここで、ブリックス(濃度%)を出したかというと、
今から説明する、ボーメ度の計算で必要だから。
今から説明する、ボーメ度の計算で必要だから。

こちらは濃度%と同じ数字。
感覚的にとっても分かりやすい!
感覚的にとっても分かりやすい!
コンポートや、コンフィチュール、コンフィなども
糖度をコントールするために
ブリックスをはかって糖度を上げていきます。
糖度をコントールするために
ブリックスをはかって糖度を上げていきます。
ブリッスの計算は簡単です。
水100gに砂糖100gの、1:1のシロップの場合。
濃度が50%の砂糖水ですよね?
ブリックスも同じ50ブリックスです。
ボーメ度は計算できる
上記の、水100g+砂糖100gのシロップはブリックス50(50%)
ボーメ度にしたらどれくらい?
知りたいときに使う計算式があります。
ボーメ=ブリックス×0.55
ブリックス=ボーメ÷0.55
ボーメを出すには、ブリックスに0.55をかけます。
50(ブリックス)×0.55
つまり、27.5ボーメ度です。
逆に、ボーメが分かっていて、
ブリックスを知りたい時は、
ブリックスを0.55で割り算します。
ブリックスを知りたい時は、
ブリックスを0.55で割り算します。
スポンジケーキに塗る基本のシロップのレシピ
スポンジケーキなどに塗るシロップの甘さは
ボーメ18が基準になります。
基本のシロップ
≪材料≫
水…100g
グラニュー糖…50g
つまり、水2:砂糖1ですね。
ブリックス(%)を計算すると
ブリックス33(33%の砂糖水)です。
ボーメに計算してみましょう。
33(ブリックス)×0.55
つまり、18.1ボーメ度です。

水2:砂糖1がボーメ18になっているのが分かりますね。
まとめ
この記事はで、ボーメ30度シロップの作り方と、活用法
ボーメ度とブリックスの計算方法についてお伝えしました。
ボーメ度とブリックスの計算方法についてお伝えしました。
まずは、ボーメ30度、ボーメ18度、この2つが分かれば大丈夫!
次の記事では、この知識を土台にして、
ケーキに塗るシロップについて解説します。合わせてご覧ください。
ケーキに塗るシロップについて解説します。合わせてご覧ください。

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