お菓子に差がつく!レーズンの下処理の比較 湯通し・蒸す|ラム酒漬け

お菓子の素材学

レーズンをお菓子に混ぜ込んだりラム酒漬けにするとき
どのような下処理をされていますか?

そのまま使うこともありますが、湯通し・蒸すなど、
いくつかの方法を見かけます。

湯通し・50℃の湯につける・蒸す・電子レンジで比較してみました。
仕上がりの違いと効果が分かれば、
仕上がりのイメージに合わせて使い分けができるようになります。

レーズン入りのお菓子をワンランクアップさせましょう!

レーズンの下処理 5つの方法

1粒のレーズンをゆっくり時間をかけて味わうと…
ぶどうの濃縮された風味がじんわり口に広がりしみじみ感動します。
お菓子に混ぜ込むのは5つの方法があります。
そのまま加える
湯通しする
50℃ほどの湯につける
蒸す
電子レンジにかける

生徒さん
生徒さん

そのまま混ぜ込んだら上手く混ざらなかったり
パサついたことがありました。

さとこ先生
さとこ先生

レーズンの下処理をきちんと行うと
お菓子がワンランクアップしますよ!

今回新たに検証したかったのが「湯通し」と「ぬるま湯」の違いです。

あるお菓子屋さんのシェフから
「50~60℃で湯洗いしてつけている。」と教わって。
理由をお聞きすると「その方がおいしいから」とのこと。

実際にどうなのか?比較してみたかったのです。

そのまま加える

刻んでお菓子に混ぜ込んだり、洋酒漬けにすることもあります。
レーズンは乾燥していますので、生地の水分を吸収してしまいます。
お菓子によってはパサつきやすくなることも。
例えばシュトーレンなどを作るさいもそうですが、
表面に出ていると乾燥して焦げやすくなります。

オイルコーティングされている場合

オイルコーティングされている場合は、
そのまま加えるのではなく湯で洗って植物油を落とします。

油の酸化も気になりますし、洋酒漬けは浸透にも影響してきます。

オイルコーティングの見分け方
レーズン同士がくっつくのを防ぐために
植物油でコーティングされている場合があります。
パッケージ裏で見分けることができます。
「原材料名」に「植物油」と書かれてたらオイルコートされた商品です。

レーズンを湯どうしする

湯通しとは、沸騰した湯にレーズンをくぐらせることです。

湯通しの手順

①鍋に水を入れて沸騰させ、火をとめてレーズンを入れて混ぜます。
そのまま数分おきます。

時間は食べてやわらかかさを確認して決めています。
今回は3分つけました。
長いとその分旨味が抜けますで注意ください。

②キッチンペーパーなどで余分な水分をふきとります。
大量だと低温のオーブンで乾かすこともあります。

仕上がり

指でつまむと、ふにゃっとして非常にやわらかい状態です
色は少し薄くなってマットな質感。
風味が他に比べて少し弱く感じました。

50℃の湯につける

しなびた葉野菜がシャッキっとなる「50℃洗い」
という調理法がありましたね。
ドライフルーツにも効果的というのは聞いていましたが、
湯通しとの違いが知りたいと思いました。
ぬるま湯につけると言っても温度帯に幅があるので、
今回は50℃でテストしてみました。

50℃の湯につける手順

①レーズンを湯洗いします。

レーズンには異物がついていますので取り除きます。

②50℃ほどの湯につけます。
時間はレーズンの状態によって3~15分で調整ください。
今回は実験のため、湯通しと時間を合わせて3分にしました。
ザルにあけてキッチンぺーパーで余分な水気をふきとります。

仕上がり

やわらかいながらも、湯通しほどふにゃっとしていません。
レーズンの風味をしっかり感じることができました。

蒸す

過去の実験でも、おすすめしていた下処理です。
均一に水分をふくんで内側からふっくらします。

蒸す手順

①レーズンを湯洗いして異物を取り除きます。

②鍋に水を入れて沸騰させる。
湯気がたっぷりあがっている蒸し器にキッチンペーパーなどを敷いて
レーズンを広げ、5分ほど蒸します。

③余分な水分があれば、キッチンペパーでふきとります。

仕上がり

やわらかいながらも、果肉の存在感があるかたさです。
風味をしっかり感じ、ふっくらとジューシーです。
色が濃くなりツヤが出ています。

電子レンジ

時短で洋酒漬けするときに便利な裏技です。洋酒の浸透が早くなります。
くっついた果肉も離しやすくなりますよ。

電子レンジにかける手順

①レーズンは湯洗いして表面の汚れを落とします。
②レーズン50gを耐熱容器に入れてふわっとラップをかけます。
600ワットの電子レンジに30秒ほど加熱します。
分量によって時間は変わります。

わずかに湯気が見えたタイミングで出しました。

仕上がり

温かいときはやわらかく、ふっくらしています。
くっついたレーズンをほぐしやすくなりました。
味や見た目は変化なし。冷めると少し固くなりました。

 

比較したまとめ

やわらかさの順(右にいくほどやわらかい)
そのまま<電子レンジ<蒸す<50℃の湯<湯通し
「湯通し」と「50℃の湯につける」の違い
湯通しに比べて50℃の湯につけた方が、ふにゃっとし過ぎません。
ほどよく果肉感があり、レーズンの風味も保たれていました。
以上の結果から、ぬるま湯(今回は50℃でテスト)につけた方が良い状態になりました。
「蒸す」はオールマイティ
ふっくらジューシーになり果肉の存在感がある。
焼き菓子にもよいが、バタークリームへの混ぜこみにも最適。

レ―ズンを使ったお菓子は?

バターサンドクッキーのバタークリームにレーズンを入れるのは定番です。
レーズンバタークリームは、ロールケーキに巻くこともできます。
画像は和モダンフランス菓子コースの干し柿などのバターサンド。
レーズンでアレンジも可能です。
チーズとも相性がよく、ニューヨークチーズケーキなどに。
生チョコなどの、チョコレート系にも合います。
パウンドケーキ、スコーン、クッキーにも。
生徒さん
生徒さん

もっと手軽にできるお菓子はありますか?

さとこ先生
さとこ先生
「レーズンバター」ならバターに混ぜ込むだけ。
市販のバニラアイスに混ぜてラムレーズンアイスに。

幅広く使えるレーズンはイメージが広がりますね。

思い描くお菓子を作るために

和モダンフランス菓子のプロコースでは、

1つのことを製菓理論・素材学で深めていきます。

レーズンの下処理は1例ですが、思い描くイメージによって、
どのような方法を選択すべきか根拠をもって判断できるようになります。

「こうしたら、こんな状態になるんだ~!」
というワクワク感とともに、その根拠が分かったとき、
ぶつかっていた壁が突破できそうな期待感がふくらみます。

マンツーマンで答え合わせしながら、
少しずつ腹落ちすることが増えていくと、

レシピをあやつり、読み解ける力が身に付いていきます。

この内容を動画でご覧になりたい方はこちら

レーズンの下処理の比較。違いを画像でご覧いただけます。
所用時間:13:26

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プロフィール紹介
幸せつなぐパティシエ
とくもと さとこ

「趣味のお菓子づくりからプロの仕事に変える」
をコンセプトに
お菓子を仕事にしたい方向けのお菓子教室を運営。

製菓理論をしっかり身につけながら
「日本の地元素材を生かす」にフォーカスした
お菓子づくりを学ぶことで、

・オリジナルレシピ生み出すスキル
・失敗の原因を自分で解決するスキル
・安定した仕上がりの再現するスキル

を身につけます。

「売れるお菓子」を開発し、
お客さまに届けるまでをゴールにサポートしています。

お菓子教室18年目。
のべ3800人を指導してきた経験を生かし

特に「おひとりさまお菓子起業」を
目指す方へのサポートに力を入れています。

第2の人生を充実させたい方を応援します!

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