トレハロースを使えば、フルーツの味や色をそのままに
パリっと湿気にくい「フルーツチップス」が作れます。
ケーキやパフェのトッピング、紅茶のお共にもピッタリ。
お菓子がもっと華やかになります。
フルーツチップスの作り方、トレハロースの特徴、
砂糖との違いをお伝えします。
フルーツチップスのフルーツの下処理
オレンジ、キウイ、すだち、パイナップルなど。
お好みのフルーツをご準備ください。
トマトのような野菜でもOK。
ポイントは、薄く1mm(~0.5mm)にスライスすること。
大きくて果肉の柔らかいものは
均一な厚みにナイフで切るのは難しいので、
厚みが調整できる「ベンリナー」がおすすめです。
以前、ライブのおすすめ道具で紹介したアイテムです。
フルーツチップス作りの注意点
3つ注意点があります。
電動スライサーがあれば可能ですが。
グレープフルーツなどは、手動ではむつかしかったです。●種が少ないものが見た目にキレイ。
穴だらけになるので種なしの品種があれば。●果皮が固く、苦いフルーツは、
果皮を取り除くと食べやすいです。
トレハロースのシロップをつくる
トレハロース+水で作るシロップの配合です。
40~50%を目安にトレハロースのシロップを作ります。
具体的なレシピは以下になります。
50%のトレハシロップ=トレハロース50g+水50g
40%のトレハシロップ=トレハロース40g+水60g
1:1の同量だと覚えやすいですね。
トレハシロップを沸かしたものを、
スライスしたフルーツが浸かるように注ぎます。
オーブンシートに並べてもいいのですが、
面積が広いほど、トレハシロップが多く必要になります。
ラップを密着させて30分ほどしみ込ませます。
オーブンで乾かす
トレハシロップをきって、フルーツを
オーブンシート(又はシルパット)に並べます。
アングルパレットを使うとキレイに移動できますよ。
極薄なので手だと崩れやすいです。
丁寧に移動します。
60℃に予熱したオーブンでひと晩。
急ぐときは、80℃で3時間ほど、乾燥させます。
フードドライヤーがあれば便利です。
乾かすときの注意点
80℃以上にしないことが大事!
家庭用オーブンだと、長時間設定がむつかしので、
80℃にすることが多いと思いますが
フルーツによっては変色することがあります。
すだちなどの小さなものは2時間で。
厚みがあると3~4時間ほど。
60℃だと時間はかかりますが
キレイな色に仕上がりました。
光にかざすと透き通るような美しさ!
グリーンキウイです。
トレハロースとは?
株式会社 林原が開発した、多機能な糖質です。
(2024年4月1日よりNagase Viitaに社名変更)
トレハロースの甘さは砂糖の38%。
砂糖と置き換えると、甘さ控えめになるということで
注目されました。
トレハロースのガラス化とは?
フルーツの味や色が残り、
湿気にくいフルーツチップスができるのは、
トレハロースの「ガラス化」という特性によるものです。
液状のものがガラスのように固くなった状態。
熱したシロップを冷ましていくと、
粘りが強く結晶化しずらなくなり、やがて固くなります。
これがガラス化です。
この効果を発揮するものの1つが「フルーツチップス」なんです。
ゴールドキウイ。
トレハロースを使うことで、より湿気にくく
パリっとした食感に改良することができます。
この特性を生かせば、ナッツのキャラメリゼなど
様々なお菓子に生かせますね。
お菓子の新たな可能性が広がります!
砂糖とトレハロースの違い
糖液のシロップを煮詰めると
トレハロースの方が早くかたい状態になります。
砂糖シロップは140℃で
パリッと割れる透明なアメになります。
さらに煮詰めると、160℃で色付き始めて
170℃でカラメル色になります。
一方、トレハロースシロップは、
砂糖よりも低い温度でガラス化が始まって、
120℃くらいで「安定」します。
180℃になっても透明なまま。
温度を上げても、ほとんど着色しません。
「糖の種類」によってこれだけ特性が違うとは!
知るほどに面白いな~と感じます。
お菓子によって「糖」使い分ける
それぞれの「糖」の特性が分かっていると
その効果を生かす使い方ができます。
「なぜこの砂糖を選んだの?」
「なぜこの素材?」
自信をもって伝えることができます。
このような「素材学」と「製菓理論」を
しっかり身につけたい方に向けた講座が、
和モダンフランス菓子のプロコースです。
トレハロースについても詳しく学べます。
この内容を動画でご覧になりたい方はこちらから
トレハロースの使い方として
フルーツチップスの作り方をライブで紹介しました。
165回目 YouTubeライブより。