タルト型とタルトリングの違い タルトの底が浮いてふくらむときの原因と対処法

製菓道具

タルトを作るとき、タルト型とタルトリング、どちらを使っていますか?

生徒さん
生徒さん

タルトの型を買おうと思ったら、タルト型とタルトリングがあって…
どちらがいいんでしょう??

さとこ先生
さとこ先生

迷いますよね。型によってタルトの仕上がりが変わるんですよ。
特徴と選び方を、分かりやすくお伝えしますね!

また、タルトを焼いたときに底が浮いてしまう原因と対処法も一緒にご紹介します。

タルト型の特徴

タルト型は、底板がついている波型のデザインです。
タルトと言えば…コレ!という昔ながらのクラシックな雰囲気がありますね。

タルト型のメリット

移動がラク
底板があるので、焼くときや冷やすときにそのまま持ち運べます。
初心者さんでも扱いやすいので、
お菓子教室の対面レッスンで、私はよく使っていました。
クラシックな華やかさがある
「波型」のフチは、フランスの伝統的なタルトやパイによく見られるデザイン。
フランス菓子の世界では、古くから使われてきた定番です。
深さがあるのでフィリング多く入る
型に深さがあるため、アーモンドクリームなどをたっぷり詰めることができ、
ボリューム感のある仕上がりになります。
例えば、2層にしたり、栗の渋皮煮を入れたりすると、
食べごたえのあるタルトに仕上がります。

タルト型のデメリット

底の火通りがよくない
底板がある分、オーブンによっては火の通りが弱くなり、
底に焼き色がつきにくいことがあります。
しっかり焼こうとすると、タルトの上部だけが、焦げやすくなることも。
その場合は、途中で一度取り出し、アルミホイルでフチを覆って調整すれば、
焼きムラを防ぐことができます。
ただ、この手間が面倒に感じることもあります。
底面が浮き上がることも
アーモンドクリームなどを詰めて焼いていると、
底の部分がぷくっと膨らんでしまうことがあります。
何カ所も大きく浮くと、やっぱり気になりますし、
浮いたところは焼き色が白っぽくなります。

名称未設定のデザイン – 1

タルトリングの特徴

タルトリングは、底がないシンプルなリング状の型。
プロっぽい仕上がりを目指す方にも人気です。

タルトリングのメリット

底の火通りがよい
底板がないので、オーブンの熱がしっかり伝わり、
タルト生地がサクッと焼き上がります。
メッシュ状のシルパンを敷くと余分な油脂が抜けて
よりサクッとなりますよ。
モダンな見た目
スッキリとした見た目がモダンな印象になります。
土台部分が目立たないので、上の飾りに目がいきやすくなります。
深さが浅いので濃厚なクリームを合わせやすい
濃厚なチョコレートクリーム、タルトシトロンのレモンクリームなどを
合わせるときに、浅い方が生地とのバランスが良いことがあります。

タルトリングのデメリット

移動時に注意が必要
底板がないので、生地を敷きこむときは、
シートごと回転させながら作業します。
移動させるときは、下に板などを敷いて持ち上げるとか、
冷凍して天板に移動するなど…タルトリンクならではの注意が必要です。
タルト型に慣れていると戸惑いますが、慣れると問題ありません

穴あきタルトリングとどっちを買おうか迷います


(画像はcottaさんより)

生徒さん
生徒さん

穴あきのタルトリングもありますが、
どちらを買おうかな…

さとこ先生
さとこ先生

最近はcottaさんなども販売されていますよね。

焼き上がったタルトの側面に小さな穴の跡が残るため、
この見た目が気になるかどうかは好みが分かれるところ。

個人的には、この跡が気になるので今は使っていません。

でも、穴があるから、熱伝導がよて側面がサクサクに仕上がります!

また、注意したいのは生地をリングに敷き込む際に、
力を入れて、ぐいぐい押しつけすぎたり
生地の温度があがって、やわらかくなると
穴の中に生地が入り込むことがあります。

以前使ったときに、焼き上がった後に
くっついて型から外しにくく感じたことがありました。

なので、生地温度を管理しながら、優しく添わせるように
敷き込める
とスムーズに外れます。

タルトの底が浮いてふくらむときの原因と対処法

生徒さん
生徒さん

タルトの底がぼこぼこに浮いています。
なんとかなりませんか~?

さとこ先生
さとこ先生

こんなはずじゃなかったのにー!って思っちゃいますよね。

切ったときに、底が浮いているのも気になるし…

実は、この現象は、重石を入れて空焼きする場合には起こらない のですが、
アーモンドクリームなどを詰めて焼くタイプのタルトではよく見られます。

さらに、ピケ(生地に穴をあける作業)をしていても
浮き上がることがあるので、やっかいなんですよね。

では、なぜこんなことが起こるのでしょうか?

タルトの底が浮く原因は閉じ込められた空気

原因はズバリ、生地と型の間に空気がたまってしまうから。
オーブンの熱で空気が膨張する。

逃げ場がないため、底の生地が押し上げられる

という仕組みでタルトの底が浮いてしまうのです。

タルト型に敷き込む(フォンサージュ)ときに、
ギュウギュウと指で、押しつけてしまうと空気が入りやすくなります。

特に一体型のタルトは一部が白くなりやすい気がします。

タルト底が浮いたらどうなる?

浮いた部分は天板に直接触れていないため、熱が十分に伝わりません。
その結果、火通りが甘くなり、焼きムラができる。
サクサク感や香ばしさが足りない原因になります。

タルト生地の魅力である「香ばしさ」「食感」が
損なわれてしまうため、できるだけ防ぎたい現象ですね。

解決策① タルトリングを使う

この現象は底板のあるタルト型で起こるもの。
つまり、タルトリングを使えば、底が浮く心配はなくなります。

…とはいえ、「タルト型で焼きたい!」という場合もありますよね。
そんなときは、次の方法を試してみてください。

対処法に② タルト型の底板を外して焼く

タルト型の底板を外し、シルパンの上に置いて焼くのがおすすめ。
こうすると、火通りも良くなり、空気が抜けて平らに焼けます。

ただし、焼きあがった生地を型ごと上に持ち上げる際は注意!

初めて試した生徒さんが、割れて底が抜けてしまったことがあります。

シルパンのメッシュに生地がくっついていますので、
ゆっくり丁寧にはがしてから、持ち上げてください。

解決策③ 生地を軽くそわせて密着させる

タルト生地を敷き込むとき、空気を抜きながら型に密着させます。

スマホのフィルムを貼るときをイメージしてください。
空気をかませないように、内側から外側へ向かって貼る感じです。

そして、指でギュウギュウと生地を押しつけないこと。
軽く型にそわせるイメージです。

ピケもしっかりとしておきましょう。

まとめ あなたに合うのはどっち?

◆ タルト型がおすすめの人
✔ 扱いやすさと安定感を重視したい
✔ クラシックで華やかな見た目にしたい
✔ ボリュームのあるフィリングをたっぷり入れたい
◆ タルトリングがおすすめの人
✔ サクサク食感と火通りの良さを優先したい
✔ モダンで洗練された仕上がりにしたい
✔ 薄くて軽い食感のタルトを作りたい

また、底が浮いてしまう現象はタルト型特有のもの。
根本的に防ぎたいなら タルトリングに変える。
タルト型で焼く場合は、底板を外して焼くと防げます。

あなたの作りたいタルトはどんなイメージですか?
ぜひ、それに合った型を選んでみてくださいね。

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プロフィール
お菓子づくりのプロを育てる専門家
とくもと さとこ

お菓子教室Atelier S Liaison(2006年開業)主宰
のべ3800人以上を指導
地元素材を使った「和モダンフランス菓子」
お菓子のプロを目指す方に
製菓理論とお菓子の基礎を学べる講座を提供
動画教材制作クリエイター

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