パウンドケーキを、もう少ししっとりさせられないのかな?
美味しくないわけでないけど、パサつきが気になる。
なんてことありませんか?
私も昔、同じ経験があります。
「お店みたいなしっとりしたパウンドケーキは、
焼き上がりにシロップを打っているのかも?」
なんて思って試してみたり。
でも、原因はそこではない!と今なら分かります。
パウンドケーキをしっとりに変える
プロのコツを6つをお伝えします。
乳化させる
パウンドケーキは、いくつかの製法があります。
一般的には、バター → 砂糖 → 卵 → 小麦粉の順に
混ぜるレシピが多いです。
この手順の場合、
卵を一度に加えると間違いなく失敗します!
バターと卵が分離するから。
バター=油分 卵=水分
2つが上手くつながってない状態が「分離」です。
モロモロとして生地がボウルをすべる感覚になります。
分離したものを焼くと?
パサついて、油が浮いてきたり、
ふくらみが少なく、食感もよくないものになります。
乳化できていると、
よく膨らんで食感がよく、しっとりします。
乳化させるには、卵は少しずつ数回に分けて加えます。
私は8回くらいに分けて加えることが多いです。
乳化した生地は、ツヤがあってなめらか。
ハンドミキサーの羽についた生地が落ちません。
乳化させるためには、必要な条件があります。
それが次のコツです。
バターと卵の温度
バターと卵は「常温」に戻します。
温度が高すぎても、低すぎてもうまく乳化しません。
「常温」とは何℃でしょう?
レシピ本には「常温」としか書かれてないことが多いですね。
常温とは一般的に20℃くらいをさします。
冬と夏で部屋の温度は、かなり差がありますね。
真冬に2時間テーブルに出しても
バターはずっと固いままで20℃にはなりません。
その場合、ぬるい湯せんにあてて20℃程に温めます。
電子レンジだと数秒かけてチェック、を繰り返します。
便利な反面、加熱しすぎて溶かすリスクが高いので、
慎重に行いましょう。
粉合わせでツヤを出す
小麦粉をサックリ混ぜて粉が見えなくなったら、
混ぜる手を止めていませんか?
これでは、パサついたパウンドケーキになってしまいます!
粉気がなくなって、
そこからさらに、ゴムベラで20~30回ほど混ぜます。
だんだん生地にツヤが増してきます。
ツヤが出てきた状態が、キメが整った証拠。
材料同士がしっかりつながることで、しっとり感が生まれます。
焼き加減
パウンドケーキの型はいろんな材質があります。
例えば紙型。
100均ショップなどの紙型で焼くと火が入りやすいです。
ステンレス製、アルミ製など。
型の材質、大きさで焼き時間は変わります。
そこに、オーブンのメーカーや機種の違い、
生地の状態の違いも加わります。
ですから、レシピの何℃で何分とあるのはあくまでも目安。
焼けているかチェックする方法
以下は、焼けているかどうかのチェック方法です。
3つあります。
ドロッとした生地がついてきたら、生焼け。
何もついてこなければ焼けています。
固さがあってはねかえってくる弾力を感じたら、焼けています。
慣れてくると手の感覚で分かるように。
焼けていると、型と生地の間に少し隙間ができます。
レシピ
お菓子の生地にはそれぞれ「基本配合」があります。
パウンドケーキもそう。
基本配合のバランスから大きく外れたレシピは
正しく作っても、しっとりしないことがおこります。
何度つくってもしっとりしないなら、
レシピが良くない可能性があります。
私がレシピ作成するときは、
基本配合をベースにカスタマイズしていきます。
パウンドケーキの基本配合はすぐに覚えられます。
基本パウンドケーキは、
バター・砂糖・卵・小麦粉の4つの材料を同量です。
パウンドとは、
アメリカの重さの単位「ポンド」が名前の由来です。
1ポンド=約450g
4つの材料を1ポンドずつ、という意味です。
フランスでは「カトルカール」と呼びます。
カトル(Quatre)=4 カール(quart)=1/4
4つの材料を1/4ずつ入れるお菓子、というのが名前の由来です。
そこに、
・ベーキングパウダーを補助的に加えて、ふんわり感をアップさせる。
・洋酒で風味や奥行きをもたせたせる。
・柑橘の皮で爽やかさをプラスする。
などのさまざまななアレンジを加えていきます。
保存方法
焼きあがったパウンドケーキの
保存の仕方でしっとり感は変わってきます。
焼きあがったものを、ケーキクーラーの上に
長い時間放置していたら乾燥してパサつきます。
カットして袋を密封してないと
乾燥して酸化も進みます。
焼けたら終わり、ではなく…
「お菓子のおいしさを保つ」ために乾燥から守ります。
カフェのショーケースに入れて売るのか?
ネットショップで配送するのか?
コストはどれくらいかけられか?
状況を踏まえたうえで
最適な保存方法を考えてみてください。
しっとりする原理が分かると対処できる
なぜしっとりしないのですか?
なぜ膨らみが悪いのですか?
受講生さんから日々、いろんな相談がきます。
なぜ?=製菓理論です。
なぜしっとりしないのか?
分からずネットで調べているとしたら、
「しっとりする原理を理解しきれてない。」状態だからです。
なぜパサついたのか分からないと
対処のしようがありません。
「本当においしいから、ぜひ買ってください!」
商品に自信がもてないと、
すすめたり宣伝することに、ためらいが出ます。
だからこそ製菓理論は、
お菓子をこれから仕事にしたい方に必須の知識です。
開業すると時間もとりにくくなるので、
開業前に学んでおくことをおすすめします。
すでに仕事をされている方は、早く知って、
その知識を実践に取り入れた方がよいと思います。
同じおいしさを再現する
和モダンフランス菓子のプロコースでは、
誰が作っても同じ美味しさが再現できる。
上手くいかないとき自分で解決法をみつけだせる。
思い描くイメージに合う仕上がりにできる。
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