夏にタルト生地が柔らかくなるときの対処法|大理石の作業台は必要?室温の目安

製菓理論

夏場の気温の高い時期に、
タルト生地をのばしていると、すぐにやわらなって
冷蔵庫を何度も往復することに…。

夏が過ぎて9月に入っても、
まだまだ残暑の厳しい日が続く中、
タルト作りの作業環境、
部屋の温度設定について考えます。

質問 大理石の作業台は必要ですか?部屋の温度のベストは?

和モダンフランス菓子プロコース9月のメニューは
今が旬の「すだち」を使った
「きゅんと酸っぱいすだちのタルト」です。

オンライン実習するにあたって、
受講生さんから質問がありました。

Q

この時期、家の中ではクーラーをしているのですが、

タルト生地を扱っている時、
どうしても生地が柔らかくなってしまい、とても扱いづらいです。

大理石の作業台は必須でしょうか?
部屋の温度は何度ぐらいがベストでしょうか?

大理石のマーブル台は必須ではない

お菓子作りの現場でよく見かけるのが、
大理石の作業台です。
パティスリーや製菓学校などで使われていることが多く、
私もル・コルドン・ブルーに通っていた時には、
大理石の作業台でした。

やっぱり、お菓子づくりには大理石のボードが
いるんだな~と思って、当時買ったのを覚えています。

ただ、気温が高いと大理石をさわっても
思ったよりも生温かいです。
冷やせばひんやりするのですが…。

また重いので出し入れが大変で…
ほとんど使わなくなりました。

マーブル台で作業するメリット

大理石のボードは、木製ボードと比べて
温度が上がりにくくひんやりしているので、
タルトやクッキー生地を扱う際に
生地のダレを防ぎやすいのが特徴です。

また、生地がくっつきにくいため、
余分な打ち粉を減らすこともできます。

大理石のメリット

  • ひんやりしていて生地の温度を保ちやすい
  • 生地がくっつきにくく、打ち粉を減らせる
  • 重みがあり作業中に動かず安定する
  • 傷や反りに強く、衛生的に長く使える
  • 見た目がおしゃれでキッチンになじむ

作業台を冷やす工夫で対応できる

マーブル台がなくても、作業台を冷やせばOKです。

保冷剤で冷やす

一番手軽でおすすめなのは、
大きめの保冷剤を作業台に並べて冷やす方法。
クーラーボックス用のブロックタイプの
保冷剤が大きくて便利です。

バットに氷を入れて冷やす

ステンレスのバットに氷を入れて
作業台の上に置いてしっかり冷やしておきます。
バットだと、広い面積を冷やせます。

私はタルトのレッスンの時は、
バットに水をはって凍らせていました。
デモストレーションする前に冷やしておきます。
なかなか溶けないので重宝します。

氷を袋に入れて手軽に冷やす

袋に氷を入れて作業台に並べる方法もあります。
スーパーで持ち帰り用にもらえる氷を活用して、
袋ごと置けばOK。
1袋なら、位置を動かしながら冷やします。
洗い物も増えなくて手軽。

オーブンの天板で台を温めないよう注意

うっかりやってしまいがちなのが、
オーブンから出した熱い天板を、
作業スペースに置いてしまうことです。

タルト生地を冷蔵庫で休ませている間に
焼き菓子が焼き上がり、
天板を出してケーキクーラーに移す…という場面。

実はオンライン実習でもあって。
台が温まってしまったので、
保冷剤で冷やしていただいたことがありました。

生地を休ませている間も、
氷入りのバットなどを置いて冷やし続けておくと
うっかり熱いものを置いてしまうのを防げます。

室温の目安は18℃前後

タルト生地やクッキー生地を扱うときは、
室温にも気を配るとより作業しやすくなります。

理想は15~20℃程度です。

私は冷房を18℃に設定し、
作業中だけ部屋の温度を下げて作業しています。
無理のない範囲で、
作業時だけでも部屋をしっかり冷やすのがおすすめです。

プロの現場での温度管理

チョコレートを扱う講習会に参加すると、
室温はかなり低く設定されています。

テンパリングを行うときの室温、
ガナッシュを流し入れるときの温度など、
工程ごとに細かく温度が管理されており、
少しの室温の変化でも仕上がりに影響が出るほどです。

タルト生地はそこまでシビアではありませんが、
「作業温度を徹底管理しているからこそ完成度の高いものができる」
ということを実感しました。

ただはやり寒くて、半袖でいると
体の芯まで冷えきってしまうほどでした。
1日講習会に参加した夜は、
熱いお風呂でつかって体を温めていました。

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まとめ|タルト作りの作業環境を整えるポイント

  • 大理石ボードは必須ではない。
  • 保冷剤や氷で作業台をしっかり冷やす。
  • 室温18℃にしている。15〜20℃で作業するのが理想。
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プロフィール
お菓子づくりのプロを育てる専門家
とくもと さとこ

お菓子教室Atelier S Liaison(2006年開業)主宰
のべ3800人以上を指導
地元素材を使った「和モダンフランス菓子」
お菓子のプロを目指す方に
製菓理論とお菓子の基礎を学べる講座を提供
動画教材制作クリエイター

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