いい商品でも選ばれるとは限らない ケーキ道具の相談から見えた、売る前に考えたいこと

お菓子の考え方

「いいものを作ったのに、なぜ売れないの?」
そんなふうに感じたことがある方へ。

Youtubeの視聴者さんから届いた
ケーキ道具に関するご相談から
売る前に考えたい「商品づくりの大切な視点」について
お伝えします。

ケーキをカットする製菓道具についてのご相談

YouTubeの視聴さんから、お手紙が届きました。

以下は一部抜粋。

ご相談内容
ホールケーキをつくる過程で
スポンジのスライスやケーキの等分の分割がなかなかむずかしく、
両方をキレイに仕上げる道具を考えてきました。
当初の構想から20年を経て
ようやく数年前に形になって完成し
企業に提案しましたが、
商品化は実現しておりません。
ご意見を頂ければ幸いです。

 

ご家族でイタリア料理店を営まれていたご経験がある、
もうすぐ80歳になられる主婦の方からです。

ホールケーキを切り分ける製菓道具を、
考案されて、特許を取得。
企業への提案もされた、とのことです。

※なお、ご質問への回答は、
講座生やサロンメンバーの方に限らせていただいておりますが、
今回は丁寧なお手紙を頂戴しましたので
お返事させていただきました。

 ケーキをきれいにカット・スライスする道具を拝見して

説明書と、使いかたの動画もあり拝見しました。

ケーキのスライスや等分カットを
サポートしてくれるだけでなく、
まな板やカバーなどの機能も一体化されています。

すべてがセットになって、
コンパクトに収納できる設計でした。

 ケーキのカット道具、本当に必要としているのはどんな人?

商品づくりでは、

  • どんな方に向けた道具なのか
  • その方たちに本当にニーズがあるのか

この2つがとても重要です。

これは企業の商品開発でも同じで
「売れる見込みが立たなければ、
どれだけ良いものでも製品化はむつかしい」
というのが現実です。

どんな現場で役立ちそう?導入の可能性を考える

私の生徒さんの場合で考えてみました。

家庭でデコレーションケーキを作る方

日常的というよりも、お誕生日や、
イベントで作ることが多いはず。

とはいえ、スライスやカットが、
多少ゆがんでも、気にされない方も多い印象です。

 お菓子教室の先生の立場から見たとき

「こんな便利な道具もありますよ~」と紹介はできても、
生徒さんが自宅でも再現できるよう、
手に入れやすい道具(ルーラーなど)を使ってお教えします。

 ネットやマルシェでお菓子を販売される方の場合

自宅工房などでお菓子を製造販売している女性は、
日もちや発送の都合から、
「焼き菓子」を中心に扱っています。

ホールケーキをカットして
販売している方は少ない印象です。

市場調査をしないとニーズは分からない

これはあくまで私の関わっている範囲の方での話です。

必要とされている層がどのくらいいるのかは、
市場調査をしないと分からない部分だと思います。

この道具が本当に活かせるシーンは?

想定される対象は、たとえば以下のような方です。

  • カフェなどでホールケーキを提供している方
  • 生菓子を販売している方
  • ある程度の数を仕込む必要がある事業者の方

その方たちのうち、何割くらいの人が
「ケーキのスライスやカットが上手くできずに困っている」
という課題を感じているのか、ということになります。

そのよう方々に、まず道具の存在を知ってもらって
「こんな道具欲しかった!使ってみようかな」
と思ってもらえたら、購入される可能性はありでそうす。

商品を売るには何が大切か?

お手紙には「販売したい」との明記はありませんが、
企業に提案された、とあったので、
何かしら形にしたいお気持ちはあるのかなと感じました。

道具がどれだけ良くても、
まずは知ってもらって「欲しい」と
思ってもらえなければ、手に取ってもらえません。

  • どんなふうに便利なのか?
  • 他社の道具と何が違うのか?
  • なぜこの道具を使う必要があるのか?

熱意をもって伝え続けていくことだと思います。

まとめ

いいものを作ったのに売れないと感じたときに考えたいこと
  • 「いいもの=売れる」とは限らない
  • 商品は「誰に向けて作るか」が大切
  • 必要としている人が、実際にどれだけいるかを調べる
  • 伝え方・届け方も含めて商品づくり

これから商品づくりを考えている方や、
想いをカタチにして届けたい方にとって
ヒントとなれば幸いです。

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