「打ち粉は強力粉とレシピで指定していますが
薄力粉で代用できますか?
なぜ強力粉なのですか?」
受講生さんからの質問がありました。
打ち粉とは何か?打ち粉の目的
なぜ強力粉なのか?代用について解説します。
打ち粉とは?
作業台にくっつかないように
台の上に、薄くふりまく粉のことを
製菓用語で「打ち粉(うちこ)」と呼びます。
打ち粉に求める2つの役割
粉がふれてない所がくっついて
作業しずらいですよね?
また、クッキーを型抜きしたあと
厚ぼったい粉がついていたら
焼いたあとに、小麦粉が残ってしまいます。
うち粉には、薄力粉・強力粉どちらが向く?
台にふってみましょう!
薄く広がるのはどっち?
所々固まりがあります。
一方、強力粉は薄く均一に広がりました。
実際にふってみると、違いがハッキリでますね。どちらも白い粉ですが。
分からなくなったとき、
簡単に見分ける方法があります。
かたまるのはどっち?
強力粉はにぎっても、崩れます。
かたまらないわけでないのですが
薄力粉に比べて、粉同士がくっつきません。
手触りが、ふかっとしていて
触り心地がいい~と感じました。
違いの理由
粗いことで、粉同士がくっつきにくく
サラサラしているのです。
以上のことから
打ち粉には「強力粉」が適しています。
小麦の構造「胚乳」が小麦粉になる
ではなぜ、薄力粉と強力粉で
かたまり具合や、分散の状態に違いがでるのか?
それを理解するために
「小麦の構造」をおさえておく必要があります。
こちらが小麦の構造です。
小麦粉は、「表皮」「胚乳」「胚芽」
大きく分けて3つの部分からなります。
私たちがお菓子づくりで小麦粉として
使うのは「胚乳」の部分を
粉にしたものです。
「胚乳」の主成分は、たんぱく質とでんぷんです。
薄力粉 強力粉の粒子違いとは?
小麦は、粒のかたさで
軟質小麦、硬質小麦に分けられます。
薄力粉は?
軟質小麦の小麦粒…つまり胚乳ですね、
もろくてやわらかいので
製粉すると、バラバラに細かくなりやすい
性質があります。
つまり粒度が細かい。
だから、しっとりしてダマになりやすいです。
強力粉は?
硬質小麦の小麦粒は、
胚乳がセメントのようにかたい状態。
胚乳は中心になるほど柔らかいですが
細かくバラけず粗くなります。
つまり、でんぷんもキズ(損傷)が多くて
粒度が粗く大きくなるわけです。
だから、サラサラして
生地と馴染みにくい性質になります。
さらに言うと、キズが多く粒度が粗いことで
強力粉の方が、水分を多く吸水します。
このような性質の違いから、
製粉したときの粒度に違いがでます。
打ち粉を薄力粉で代用できますか?
できなくはないですが。
薄く広がらない→ムラになった所がくっつく。
↓
多く打ち粉する。
↓
生地に吸収されて粉っぽくなる。
結局はどこまでの完成度を求めるか?です。
余分な材料は増やさず
そこそこ美味しく作れたら満足なのか?
材料をそろえて完成度が高く
おいしさを追求したいのか?
もし薄力粉でいくなら、
打ち粉が馴染んでしまわないように、
余分な粉を、ハケでこまめに払うよう
心がけてみて下さい。
私なら、強力粉がなければ
打ち粉をせずに作業します。
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