クレームパティシエールを作ったら
粉っぽくてダマがある、という経験はありませんか?
粉っぽくなる、ダマダマになると原因と対処法
というテーマで解説します。
カスタードクリームが納得いかなくて。
最後に粉感があるんです。
ポイントを詳しくみていきましょう!
カスタードクリームの悩み相談
パフェのレッスンをされている、
自宅教室の先生からのご相談です。
パフェは完成したものの、
カスタードクリームが最後まで納得いかなくて。
お口に入れた後すぐは美味しいけれど、
最後にちょっと粉感があります。
モニターさんも同意見でした。
クレームパティシエールとは?
フランス語で「お菓子屋さんのクリーム」
という意味であるように、基本のクリームになります。
クレームパティシエールでつくる様々なお菓子

クレームパティシエール覚えたら、
憧れのフランス菓子も作れるようになりますよ!
フルーツタルト(Tarte aux fruits)
フランヴァニュー(Flan vanille)
フレジェ(Fraisier)
ミルフィーユ(Mille-feuille)
シブースト(Chiboust)
サントノーレ(Saint-Honoré)
ガトーバスク(Gâteau basque)
ロールケーキに巻いたりできます。
クレームパティシエールの材料は?
材料はとてもシンプル。
この5つがそろえば、
基本のクレームパティシエールが作れます。
クレームパティシエールが粉っぽくなる原因

粉類にしっかり火が入ってない
と粉っぽくなるの。

加熱不足だったのですね!
では、何℃になると粉類(薄力粉やコーンスターチ)
に火が入るのでしょう?
この温度まで加熱すれば粉っぽさはなくなります!
とろみがついたらから、できた!と思って
すぐ加熱をやめていませんか?
それだと糊化しきれてないから、粉感が残るんです。
しっかり加熱して糊化させることで、
カスタードクリーム特有の
とろりとした、なめらかさが生まれます。
カスタードクリームはどこまで加熱する?

糊化とか言われてても、判断がむつかしいです。
温度計ではるんですか?
温度計ではからなくて大丈夫!
粉に火が入ったかどうかはクリームの状態で判断できますよ。
加熱すると、粘りが強くなって手に抵抗を感じたあと、
さらに加熱を続けると、
サラッとゆるくなってツヤが出てきます。
これが、粉にしっかり火が入った合図なんですよ。
では、クレームパティシエールの作り方を
詳しくみていきましょう。
クレームパティシエールがダマができる

いつもダマができてしまうから
むつかしいなって思います
ダマの原因はいくつか考えられます。
ダマができる原因
粉類をふるわなかった
薄力粉やコーンスターチをふるわず加えていませんか?
固まりが残る場合があるので、
粉ふるいで、ふるって加えた方がよいです。
とはいえ、よっぽど湿気た粉でない限り
ダマの原因にはなりません。
強力粉ならふるわなくても問題ないくらいです。
混ぜムラがある
加熱中、まんべんなく鍋底を混ぜていましたか?
鍋の手前側や角など、
混ぜられてない部分があるとムラになります。
泡立て器でシャカシャカと、手をとめずに
早いスピードで混ぜます。
砂糖を減らした
甘さ控えめにしたくて、砂糖を減らしてませんか?
減らし過ぎると、卵黄との「結合」が弱くなります。
そのため、卵黄に先に火が入りやすくなり
ダマができる原因になります。
ダマができる原因は温度の違い
ダマができる原因の一つに、加熱中の温度差があります。
- 卵黄に火が入る温度:60℃
- 粉類が糊化してのり状になる温度:80℃以上
※粉の種類で差があります
牛乳・卵黄・砂糖・粉類を混ぜて加熱すると、
卵黄は60℃前後で固まり始めます。
一方で、粉はまだ糊化しておらず、
とろみがつかないため、
先に固まった卵黄がダマの原因になります。
ダマができるときの対処法
かたまる温度の違いを理解して、
加熱をコントロールすることが大切です。
ここからは、具体的な対処法をご紹介します。
初心者向けの対処法
ダマになりやすいのは、
鍋底からモロモロと、かたまり始めたときです。
この瞬間に一度火を止め、
泡立て器で力強く混ぜてなめらかにします。
ここでダマをなくしておくことがポイントです。
その後、再び火にかけて炊き上げます。
経験者向けの対処法
牛乳の温度を90℃以上にして、
強めの火で一気に炊き上げます。
こうすることで、
瞬時にとろみがつき、素材同士を結合し
ダマを作る隙を与えません。
さらに、熱伝導の良い銅鍋を使えば、
火が早く均一にまわります。
なにはともあれ、素早く炊き上げた方が
なめらかで軽さのあるクリームに。
感動する味わいになります!
本当においしい!基本のクレームパティシエールの作り方

少し長くなるけど、本には載ってない
細かい部分までお伝えしますね!
① 卵黄にグラニュー糖を加えてすぐにすり混ぜる
② バニラペーストを加えて混ぜる
③ 粉類を加え、粉気がなくなるまで混ぜる
粉類は、小麦粉や、コーンスターチ
小麦粉+コーンスターチ
フランパウダーのこともあります。
④ 沸騰直前まで温めた牛乳を混ぜながら少しずつ加える
牛乳に砂糖の一部を入れて加熱すると
幕張防止・焦げ付き防止になります。

混ぜ続けることでグルテンが出て食感が悪くなるので、
大量仕込みではこの方法で行うのよ。
⑤ こし器でこして鍋に戻す
⑥ 中火で炊きながら絶えず混ぜて炊く
⑦ 火を止めてバターを加え、余熱で混ぜる
⑧ 除菌したバットに薄く広げて、密着ラップをして急冷する
人肌くらいの温度帯が、菌がもっとも増殖しやすい温度帯。
ここを早く通過させるために急冷します。
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クレームパティシール作りQ&A
Youtubeライブのコメントでの質問です。
Q. 炊くときの火加減について
クリームの状態を見ながら調節します。
鍋の直径に対して、はみ出ない範囲で
弱くしたり、強くしたり調整します。
家庭のお菓子づくりだと中火になることが多いですが、
焦がさない程度の強めの火が目安です。
弱火でコトコト煮てしまうと。
炊き上がりまでに時間がかかって、食感が悪くなります。
Q. 粉の糊化温度について
これは卵の固まる温度と同じと思うのですが、
小麦粉にちゃんと火が入るのはもっと高い温度でしょうか?
ネットでは小麦粉の糊化温度を60℃
とする情報もありますが、
これは糊化の始まりの温度です。
実際に小麦粉のでんぷんを
しっかり糊化させるには、80℃以上が必要です。
まとめ
原因:粉が80℃以上まで加熱されず、糊化していない。
対策:とろみがついてからも加熱を続け、
ツヤが出てなめらかになるまで火を通す。
原因:卵は60℃で固まり、粉は80℃以上でとろみがつくため、
卵だけ先に固まってダマになる。
初心者の対策:鍋底がモロモロし始めたら火を止め、
泡立て器でなめらかにしてダマをなくしてから再加熱する。
経験者の対策:牛乳を鍋に少し残して温かい状態を保ち、
生地を戻したら強めの火で一気に炊き上げる。
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所用時間:28:01