5~6月、地元の産直市で「ビーツ」が並びはじめます。
10年ほど前は、デパ地下へ行かないと買えない
オシャレ系の輸入野菜…といった遠い存在でした。
それがここ数年は、徳島でも大きなビーツを
見かけるようになって、グッと身近な存在に。
今回は、生のビーツでキャラメルを試作してみました。
仲良くなりたいなら、まずは相手を知ること。
つまりは、素材を知ることが事なんです。
この記事では、お菓子に「ビーツ」を取り入れるために
食べ方や保存、使い方のヒントをお伝えします。
ビーツってどんな野菜?

ビーツをお菓子に使うコツを知りたい!
赤いビーツはてんさい糖の変種
なんといっても、美しい深紅にそそられる!
断面がぐるぐる、渦みたいなのも、ちょっと可愛い。
…私にとっては、長年そんなイメージでした。
でもビーツの種類は、赤だけじゃなかったー!
白ビーツは、「てんさい糖」の原料になっているんです。
赤は、てんさいの変種なんだそう。
そう聞くと、ぐっと身近に感じませんか?
てんさい糖といえば「オリゴ糖」が含まれていますよね。
だから、ビーツを加熱すると、甘味がより濃厚になります!
酸味はないので、レモン汁などを加えると
スッキリとした味わいに。
乳製品や、油脂との相性がよいので、
お菓子に使いやすいです。
皮にはペクチンが含まれています
料理では皮はむいて使うことがほとんど。
ですが、りんごの皮と同様、ペクチンが含まれています。
だから、すりおろして加熱すると、とろみ付けも可能。
そして!なんと、なんと…
加熱しても、栄養価が減りません。
見た目は、赤カブっぽいですが
ヒユ科の根菜で「大根の仲間」です。
ビーツの色素は「ベタシアニン」と呼ばれるポリフェノール。
抗酸化作用があることから
スーパーフードなんて呼ばれています。
ロシアのボルシチにうなる
ロシアに着いた日の夜、地下への階段を降りて
とあるお店でいただいた、本場のボルシチが、
今でも忘れられません。
インパクトがあるわけでないけど
身体にじーんわり、しみるわたる。
フライトで疲れた身体を
やさしくいやしてくれる、味わいでした。
添えられているのは「スメタナ」という、
ロシア版のサワークリームです。
酸味とコクのあるクリームを絡めながら…
スープを飲むと、もう完璧なバランス!
生のビーツから作るキャラメル

これがビーツ?
びっくりするほど、おいしいです!
ビーツは加熱すると土っぽさが抜けて、
特有のクセがやわらぎます。
合わせたスパイスは、甘い香りのバニラ。
土っぽさをマスキングして、
ビーツの自然な甘味を引き立ててくれました。
ビーツのキャラメル
フランボワーズとはまた違う
深みのある赤がうつくしい。
キャラメルは、配合や煮詰める温度が
少し違うだけで、やわらかくなったり、固くなったり、
食感が変わります。
ソフト過ぎて、口にねっとりくっつくのではなく、
「ソフトだけど、スッと溶ける」
そんな口どけを目指して、何度も調整を重ねました。
ベタベタ包丁につかず、カットできるよう、
煮詰め温度や配合を細かく変えながら試作。
はじめは少し手間をかける手順でやっていましたが
効率よく、より簡単に作れる方法にしました。
そして、ようやく納得のいくものが完成!
素材からイメージをふくらませる
ときめく素材との出会いから、イメージをふくらませる。
お菓子という形に変える。
その瞬間を味わう。
そんなライブ感が、たまらなく好きなのです。
キャラメルは冷凍保存できる
ビーツキャラメルは、冷凍保存できます。
数か月保存できるから、販売するにしても
計画的に作れます。
ビーツの下ごしらえ

ビーツの食べ方ってあまり知らない…
ビーツを味わうために、まずは下ごしらえをしましょう。
生でも食べらますが、お菓子に使うにしても
加熱しておくとすぐ使えて重宝します。
私は「ゆでる」か「オーブンで焼く」のどちらか。
加熱方法で、仕上がりが変わるのもビーツの面白さです。
ビーツをゆでる
水分を含んでみずみずしくて、さっぱりした味わい。
ビーツ特有の土っぽさや
クセが和らいで食べやすくなりますよ。
皮付きのままがゆでるのが基本。
鍋に入らなければ、半割にしてもOK。
ゆで始めると色素は抜けますが、
煮続けると、また戻ってきます。
【ゆで方】
葉っぱを切りおとします。
たっぷりの水を入れた鍋にビーツ入れて加熱します。
火加減は、表面がふつふつ静かにゆれるくらい。
酢を少々加えると発色がよくなりますよ。
大きさは個体差があるため、煮る時間は毎回変わります。
画像は直径10㎝以上あって、1時間ほどかかりました。
竹串が通ればOK。
粗熱がとれたら、皮をむきます。
つるっと気持ちよくむけます。
ビーツをオーブンで焼く
まるで焼き芋?うまみが、ぎゅっと凝縮するので
甘くて香ばしくなります。
【焼き方】
皮付きのまま、アルミホイルでビーツを包みます。
大きければ、半分にカットしてもOK。
180℃のオーブンで、竹串が通るまで焼きます。
大きいと、1時間以上かかります。
ビーツを冷凍保存する方法

ビーツって冷凍できるの?
ビーツは、いつでも手に入るわけではありません。
立派なビーツを見つけたら購入して、冷凍します。
解凍しても、おいしさはほとんど変わりません。
ゆでたビーツの皮をむきます。
1回で使う量にカットしおくと便利。
ラップで包んで、冷凍保存袋に入れて冷凍庫へ。
こうしておくと、すぐにお菓子に使えるし、
スープや和え物もササッと作れますよ。
なんちゃってボルシチ風スープの作り方

ビーツで簡単に作れる料理も教えて!
我が家で人気なのは、半端野菜で作る、なんちゃってボルシチ。
冷凍したビーツでも、おいしく作れます!
ハンバーグを作ったの翌日に、登場する率高い(笑)
少しだけ残したハンバーグだねを、牛肉の代用で使うのです。
ハンバーグだねを鍋で焼いて塊状のそぼろにします。
たねから油がでるので、炒め油はなくてOK。千切りにしたビーツ好きなだけ、
余り野菜なんでも(キャベツ、玉ねぎ、人参、トマトなど)
適当に入れて炒めたら、水を加えてコトコト…。
塩で味を調えたら、完成!
庭のハーブを散らせばレストランみたい!?
ビーツの葉っぱでパパッとできる簡単料理

葉を使った簡単な料理ってないかな…
産直で買ったビーツは、葉っぱがたくさんついています。
私がよく作るのは、炒めもの。
手軽な副菜としても重宝します。
まず、葉っぱは軸の固い部分とやわらかい葉っぱに分けて
食べやすい大きさに刻みます。
鍋にオリーブオイルと、スライスしたにんにくを入れて
弱火でじっくり加熱。
油に香りを移します。
香りがたってきたら、軸を先に炒めます。
少し火が通ったタイミングで葉を加え、
塩をふってさらに炒めます。
軸が固いときは、フタをして蒸し焼きにしてね。
最後に、しょうゆを少々まわしかけて、できあがり!
軸と葉は、時間差で加えるのがコツ。
オリーブオイル、塩、しょうゆは、
できるだけ上質なものを選ぶと、味が決まります。
レッドビーツはどこで買える?

画像は6月の神戸阪急の地下1階の野菜売り場。
長野産が、たくさんありました!
すぐ前は富澤商店で製菓材料も買えますよ。
地元素材でレシピを作るヒント
私はレシピを考えるとき、まずは素材と仲良くなりたいから
いろいろ調べます。
アイディアは、これまでの経験から浮かぶことが多いです。
だから、色んなものを食べに行くし、
深めたいことがあれば、コース講座で学びます。
すると新しい発見がたくさんあって、広がりますよ。
地元素材をお菓子にして販売したい。
あのお店で食べた味を再現したい。
そんな思いをカタチにするのに必要なのが製菓理論です。
お菓子づくりの仕事を成功させたい方へ。
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