お菓子づくりをしていると、つい「こうでなければならない」
という枠にしばられてしまうことはありませんか?
けれども、その枠を少し外してみると、
思いがけない発見や、自分だけの「おいしい」に出会えます。
今回は料理をとおして、
常識にとらわれない方がおもしろい、
と感じた気づきを書いてみたいと思います。
スパイスのレッスンで学んだ常識外れのハンバーグ
スパイスを学びはじめて、もうすぐ1年。
毎月、対面レッスンに通っています。
その日のテーマは「ナツメグ」
洋食によく使われるスパイスですが、
メニューに1つに「ハンバーグ」がありました。

ハンバーグといえば?
ハンバーグといえば、牛と豚の合いびき肉に
炒め玉ねぎ、卵やパン粉を加える…
そんな定番の作り方を思い浮かべますよね。
ところが、その日教えていただいたのは全く違うレシピ。
「豚肉100%」のポークハンバーグでした。
つなぎは卵を使わず、その代わりに炒めた玉ねぎを、
これでもか!というくらいたっぷり入れます。

玉ねぎも立派なスパイスの一種。
うま味を底上げし、ジューシーさをプラスしてくれるんです。
ソースはスパイスがほんのり香るサラッとした仕上がり。
パサつきやすい豚肉をしっとりと感じさせてくれます。
食べてみると、ほぐれるように柔らかくジューシー。
ナツメグをベースにいくつかのスパイスを合わせることで、
あっさりした豚肉に驚くほどコクが加わり
「ザ・洋食屋さん」の味わいになっていました。
主役の素材をいかす
「ハンバーグは合いびき肉で作るもの」
「卵は入れるべき」
「玉ねぎは肉の◯割くらい」
「ソースはこうあるべき」
そんな“常識”にとらわれない、
主役の素材(今回はスパイス)の活かし方に
強い衝撃を受けたのです。
常識にとらわれないからこそ見えるもの
この体験を通して感じたのは、
料理やお菓子において「常識」は大事だけれど、
それに縛られすぎなくていい、
もっと自由でいい、ということです。

もちろん、基本や理論を知ることは大切です。
でも、その知識を土台にして、
あえて定番から少し外してみると、
新しい発見や、「こんなおいしさがあったんだ」
という出会いが生まれるのだと思います。
自分のおいしいが正解
お菓子を作っていて「これでいいのかな?」
と迷うこと、ありますよね。

「どっちが正しいんだろう?」と
人に聞きたくなることもありますが、
最後に大事なのは、自分がおいしいと思えるかどうか。
自分にとってのおいしい、それが正解なんです。
スパイスも同じで正解は無いんです。
お菓子作りは、もっと自由でいい!
そう考えると、気持ちがふっと軽くなって、楽しくなってきませんか?
基本や理論が土台にあってこそ
お菓子づくりも、常識にとらわれない方が、きっとおもしろい。
自分のおいしいが正解!
そんなことを改めて実感した出来事でした。
ただし、好き勝手にすればいいというわけではなく、
大切なのは「基本」や「理論」をきちんと身につけた上で、
そこから外れてみること。
土台があるからこそ、それを破ったときに
オリジナルが生まれ、人を感動させるお菓子につながると思います。

だから私も、スパイスについては
基礎をしっかり学んでいるところ。
もっと自由に作りたい、オリジナルを形にしたい。
人を感動させるお菓子を作りたい…
これらは、基礎や理論をしれば
自然にできるようになっていきます。
「和モダンフランス菓子プロコース」では、
そのための学びを大切にお伝えしています。
動画でご覧になりたい方はこちら
358回目Youtubeライブのテーマは、
ビクトリアサンドイッチケーキの試作の裏側を語る…でしたが
このお話をしている部分があります。
耳だけでも聞ける内容なので、よかった聞いていてみてください。