お菓子作りで「自信がないんです」
と言われることが、よくあります。
何が足りていないのでしょうか?
技術?経験?センス? それとも、もっと別の“何か”?
というテーマで、私自身の体験や
生徒さんとのやりとりを交えながら、
「自信のつけ方」について考えてみたいと思います。
「これで合ってるのかな?」って、いつも不安になります。
「合っているか分からない」から不安になるのかもしれません。
今回はその“自信の正体”と、“自信をつける方法”をお届けします。
点数をつけるとしたら、今の自分は何点?
お菓子作りの点数をつけるとしたら、何点だと思いますか?
100点が「自信満々!」だとしたら…
70点?…それとも50点くらい?
今の自分は何点くらいか、ぜひ考えてみて下さい。
この質問をすると「技術がある=自信がある」
とは限らないことの気づきます。
私からみて、まあまあ技術はあるのに、自信がない、
とおっしゃる方もいます。
逆に、技術がそこまででなくても、
自信をもっている方もいらっしゃいます。
レコーディングで実感した、安心感が自信になるということ
先日、人生で2度目の歌のレコーディングに参加しました。
昨年に続き、岡本文宏さんの新曲
「RIDE ON」のコーラス部分を歌わせていただきました。
音源が届いたのは、レコーディングの約1ヶ月前。
リハーサルは当日のみで、
そのまますぐ本番という流れだったので、
各自が事前に練習をして臨みます。
音楽スタジオでは、一人ずつ録音ブースに入り、
まるで「THE FIRST TAKE」のような本格的な環境。
マイクに向かってヘッドホンをつけ、
狭いブースの中には、プロのカメラが入って撮影・録音が行われます。
参加者は10名ほど。
自分の番が近づくにつれ、
だんだんと口数も少なくなり、
みんなイヤフォンで音源を聞きながら、
口ずさんだりして…
スタジオ全体がピリッとした緊張感に包まれていきます。
そんな中、私はというと、不思議なほど緊張しませんでした。
それは、プロの先生から
ボイストレーニングを受けて、練習していたおかげです。
これで大丈夫と思えた
YouTubeにも、いろいろな練習方法が紹介されています。
でも、音楽の知識がない私にとっては、
それを見て一人で練習していても
「これで合ってるのかな?」と、
どこか不安が残ってしまうんです。
やらないよりはずっといい。
でも、音程が正しいのか、
リズムが合っているのか…
自分では判断できない。
そんなときに、プロの方に見てもらって
「それで合ってますよ」と言ってもらえたら、
「あ、大丈夫なんだ」と思えたんです。
もちろん、すぐにその通りに歌えるわけではありません。
でも、正しい完成形が分かれば、
それを目指して練習すればいい。
そう思えるだけで、練習の方向が定まり、
不安が消えていきました。
シュー生地の逆三角形ってどんな三角?
これは、お菓子作りでもまったく同じです。
先日、お菓子のプロコースのレッスンで、
阿波和三盆糖を使ったクッキーシューの
実習をしていたときのこと。
ある生徒さんが、こんなお話をしてくださいました。
先生の講座受けようと思ったのは、実はこのシュークリームなんです。
それまでは、生地が“逆三角形になるまで混ぜる”というのが
そんなに重要なポイントだという認識もなかったそうです。
レシピには確かに
「卵を加えて、逆三角形になるまで混ぜる」と書いてある。
でも、その“逆三角形”が、
どんな状態のことなのかイメージできない。
調べてもよく分からず、不安なまま、
毎回なんとなく作っていたそうです。
でも、実際のレッスンで
「正解の状態」を一緒に確認してみたところ、
「これが逆三角形なんですね!」
「霧吹きって、このくらいの量なんですね!」
と、とても嬉しそうに納得されていました。
ぼや~ととした感じで、ずっとやっていたと思う。」
「はっきりとした“成功の形”が分かって、本当に良かったです!」
と、最後に話してくださいました。
「これでいい」と確信をもてると、
安心できるし、自信にもつながる。
これは、お菓子作りに限らず、
どんな学びにも共通することだと思います。
プロからOKをもらえると自信になる
作り方やレシピは、ネットや本を探せばいくらでも見つかります。
でも、実際に作ってみると、上手くいかなかったり、
一応形にはなっても「これで合っているのかな?」と、確信が持てないことってありますよね。
「これが正しい」という実感がない。
そんな経験、ありませんか?
もし一度でも、プロに見てもらって
「OK、それで合っていますよ」と言ってもらえたり、
実際の成功の形を自分の目で見て体感できたら、
それだけで安心できて、自信にもつながります。
自信をつけるには、順番があります。
① 正しい状態を知る(プロから学んで確認してもらう)
↓
② 自分で練習する(量をこなす)
この順番がとても大切です。
正しいかどうか分からないまま、いくら練習しても、
「どこか不安」「なんとなく合ってない気がする」
状態から抜け出せない。
だからこそ、最初に一度「正解」を知ることが必要なんです。
ヨガで実感したこと
ヨガに長年通っていますが、
やはり同じことを実感しています。
動画などを見ながら一人でポーズをとっていても、
自分の姿勢が合っているのか分からないし、
呼吸が止まってしまっていることにも気づけなかったりします。
でも、インストラクターの先生に
「呼吸、止まっていませんか?」とか
「腰の向き、もう少し前ですね」と声をかけてもらって、
体に触れてポーズを直してもらうと、
「あ、この角度まで伸ばすんだ」と体感できる。
それだけで、
練習するときの意識の向け方が変わってきます。
特に、長く続けていることほど、
自分では「できているつもり」になっていたり、
そもそも疑問すら感じなくなっていることもあります。
でも、少しずつズレていることって、
実はよくあるんです。
だからこそ、定期的に見てもらう機会をつくって、
ズレを軌道修正してもらうことも、
とても大切だと感じています。
自信がないのは、知らないだけ
自信がないのは、「正しい形を知らない」だけ。
教えてもらっていなければ、知らなくて当然なんです。
不安なことに対しては、専門家にきちんと見てもらって、
「成功の正しい形」を知ること。
そして、それを自分で判断できる知識を持つことが大切です。
正しい方向に向かって練習すれば、
その積み重ねは、確実に上達につながります。
そうやって少しずつ積み上がっていくものが、
やがて「自信」になっていくのだと思います。
この内容を動画でご覧になりたい方はこちら
先日のYoutubeライブで、自信について取り上げました。
雑談も含めて、ラジオ感覚で聞いてみてくださいね。