手作りのお菓子、ありがたいけど衛生面は大丈夫? 食中毒をおこさない衛生管理

製菓理論

もうすぐバレンタイン。
「ママ友と交換し合う」「職場で配る予定」など
今年は何つくろうかな~?という話題がちらほら出ます。

「よろこんでもらいたい!」との想いで心をこめて作っても、
人によっては、お店以外のものは苦手。
気持ちはありがたいけど…衛生面、大丈夫?
と感じる方も少なからずいます。

自分がおくったプレゼントで、誰かが体調を崩したり、
食中毒にならないための、お菓子づくりの衛生管理について解説します。

手作りお菓子が苦手な人の心理

バレンタインで手作りのお菓子をもらって嬉しい!
という人がいる一方で、
 
コロナの影響もあり、口にするものの衛生面に敏感になる方
近頃は増えています。
 
気心の知れた身内なら、全く気にならなくても、
知らない人の手作りの品を、家族が持ち帰ったとき、
「食べて大丈夫かしら?」と考えることがあります。
 
 
衛生管理を徹底した、プロの厨房じゃない所でつくられたお菓子。

見た目がキレイじゃなかったり、雑な印象を受けると
「器具は清潔なのかな?」
「手洗いが不十分な素手でさわっているかも?」
などど、工程を想像してしまいます。

自分は清潔にしていると思っていても、
他人から見て「あり得ない!」ってことだってあります。

衛生観念って人それぞれ。

感覚の差が大きいところです。
 
 
手作りのお菓子をプレゼントするときは、
衛生面を不安にさせる要素がないか?
安全に食べられる梱包か?

今一度、確認いただいて、見た目や細部にも気を配ってみてください。

お菓子の食中毒はどのようにして起こる?

食中毒がおこるのは、
焼成したり加熱したあとに、手で加工したものに多い
という事例が報告されています。

 
焼き菓子などは、オーブンで加熱するから
食中毒になる菌はほぼ死滅します。
 
ですが、シュークリーム、マカロンなどの生菓子は
クリームを詰めたあと、加熱はしませんから要注意です。
 
人の手や道具などを介して、ケーキに菌がうつることで、
菌が増殖していく、
これを、2次汚染といいます。
 
相手がどんな環境で保存されるか分かりませんので
心配なら、焼き菓子の方がリスクは少ないです。

お菓子づくりで気をつけたい菌

お菓子づくりで気を付けたい代表的なウイルスや細菌といえば
ノロウイルス、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌です。
 
 

ノロウイルス

細菌より小さくて、指紋の間にも入りこみます。
ドアのぶやスイッチに触れて、菌がついた手指から
体内に入って感染します。

感染した人が、手洗いを十分にしないで作業すると
お菓子に菌がついて、食べた方も感染します。

また、焼けたお菓子の粗熱を取るためにテーブルの上に
長く放置していると、付着することもあると言われています。
 

サルモネラ菌

卵、乳製品、それらの加工品などに含まれます。

例えば、卵黄を使うカスタードクリーム。
どれくらい加熱したら安心だと思いますますか?

サルモネラ菌
75℃で1分程度の加熱で死滅します。
又は65℃で5分殺菌します。
市販の卵は、生で食べることを想定されているので
加熱不足で、そく食中毒とはならないですが。
稀にサルモネラ菌に侵されている卵があるので注意が必要です。
 
 

黄色ブドウ球菌

皮膚やのどの粘膜、化膿したキズにつき、熱や酸、乾燥にも強い菌です。
指の切りキズ、ひどい肌荒れがあると、菌が繁殖していることも。

キズのある手でお菓子をつくると、汚染されて食中毒をおこすこともあるので、
使い捨て手袋を着用します。

また、指輪などのアクセサリーや、長い爪の内側についた細菌から
汚染することもあります。
作業するときはアクセサリー類は外して、爪を長くされている方は
使い捨て手袋をつけます。

まずは、作る側の衛生管理から徹底しましょう。
 

【自己の衛生管理】お菓子で食中毒にならなために

お菓子を作る前にチェックしたいことは5つです。
体調管理、手洗い、マスクの着用、手袋の着用、帽子の着用
 

体調管理

お菓子は体調がよくないときに作ると、うっかりミスや
思わぬケガをしたり、衛生管理が雑になりがち。

例えば、寝込むほどじゃなけど下痢をしているとか。
細菌やウイルスに感染した状態でつくると、お菓子が菌で汚染されることも。
そのお菓子を食べた方が、体調不良になることもあります。

手洗い

「作業をはじめるとき」「作業内容が変わるとき」
「生ものを触ったとき」「トイレのあと」などは、そのつどます。

また手拭きタオルの使いまわしは不衛生なのでやめましょう。

マスクの着用

作業中に、思わぬくしゃみや咳をすると飛沫が2mとぶと言われています。

コロナの影響で、外出時は当たり前になっていますが、
食品を扱うときも、できれば着用するのが望ましいです。

 
 

使い捨て手袋の着用

手から2次汚染していくことがあります。
加熱しないものを触るときは基本、手袋を着用します。

ずっと同じではなく、顔や髪の毛などをさわったら、
そのつど新しい使い捨て手袋に変えます。

帽子の着用

髪の毛は、1日で50~60本抜けるそう。
異物混入で、一番多いのは髪の毛と言われています。

髪の毛が長い方は束ねて、衛生キャップを着用します。
見た目はオシャレとはいえないですが、
メッシュになっている業務用は夏場涼しいです。

私はオシャレな帽子タイプのヘアターバンをそろえていて
その日の気分で柄を変えています。

 

これらは仕事で「販売」するなら、基本すべてした方がいいです
もし助っ人で、手伝いに入ってもらう方がいたら、衛生について周知します。
 
ただ、販売ではなく、日常のお菓子づくりなら私もそこまでしません。
友達にプレゼントするにしても、関係や状況によりますので、
どこまで必要かは自己判断ください。
 

【器具の衛生管理】お菓子で食中毒にならないために

フキンと器具の消毒についてお伝えします。

そのフキン、雑菌にまみれてない?

飛び散った生地、こぼれた卵など、
何でも台ふきを使っていませんか?
 
 
汚れたフキンを放置すると、菌がものすごーく繁殖します!
キッチンペパーを活用しましょう。
 
昔、パリでお菓子の研修を受けた時にフキンがどこにも無くて。
すべて使い捨てペーパーでふいていました。
それだけ菌が繁殖しやすいのがフキンなのです。
 
私は生クリームが飛び散ったら、先にペーパーでふいてから、
フキンでふくようにしています。
ボウルのふちについた汚れもペーパーでふきます。
ちょっとしたことですが、洗うのも楽になりますよ。

消毒について

スプレーでのアルコール消毒が手軽です。
雑菌が増えやすい、まな板、ボウル、泡立て器など
スプレーすると効果的です。
 
菓子製造業許可をとるとき、保健所から消毒剤のチェックがありました。
私は次亜塩素酸ナトリウムを薄めて使っています。
 
その他、煮沸消毒鍋、天日干し、漂白剤での消毒など、色んな方法があります。
 

服装やペットについて

作業するときは作業着(コックコート)に着替えます。

外に出かけた私服だと、ゴミや細菌が付着しますから
それを作業室に持ち込むと汚染の原因になるからです。

専用のアトリエだからというのもありますが、
「菌を持ち込まない」ように心がけています。

また、自宅でペットを飼っている場合。
私は小さい頃から猫を飼っていたので、抵抗がありませんが
嫌がる人もいます。
その辺も気にとめておかれるといいと思います。

卵を使うお菓子で気をつけたいこと

菌が繁殖するのは3つ要素は
「水分」「栄養」「温度」
お菓子作りでコントロールできる部分は「水分」と「温度です。
 
 
 
例えば、「温度」について。
お菓子づくりで最も食中毒になりやすいものは
「卵」を使ったものと言われます。
 
代表は「カスタードクリーム」
 
先ほど炊き方にふれましたが、氷水に当てて急冷するのが基本です。
なぜだと思いますか?
 

菌が増殖しやすい温度帯をできるだけ短時間に通り過ぎるためです。

「37℃」これは、卵のサルモネラ菌にとって居心地のよい温度。
菌が最も増殖する温度30~40℃体温と同じくらです。
ぬるい温度でゆっくり冷める間に菌が繁殖するため、
薄くのばすことで、中心温度までなるべく早く冷まします。
 
レシピ本に「冷ます」とあっても理由まで書かれてないことがほとんど。

なぜそうするのか?知ることは、衛生管理につながります。

そのためにも講座では、お菓子を仕事にしたい方に向けて、
製菓理論をお伝えしています。

できてないから、当たり前に変わるきっかけ

「そこまで考えて作ってなかった」
ここまで読んで、感じた方もいらっしゃると思います。
 
私もはじめから出来ていたわけでありません。
仕事でなければ、私もそこまで意識してなかったと思います。
 
趣味でお菓子を作っていた頃は、今ほど衛生を徹底できていませんでした。
でも、差し上げるとみんな喜んでくれる。
深く考える機会がありませんでした。
 
それが、教室業やお菓子の販売をする立場になると
「口にするものは、人の命にかかわるものを扱っている。」
と意識が上がります。

衛生管理は「やって当たり前」に変わりました。

 
 
もしあなたが今、やってなくても、今まで知る機会がなかっただけ。
これから意識していけばいいです。
 
 
これからお菓子を仕事にしたいと考えている方には、
知識として知っておいて欲しいと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?

作りのお菓子をプレゼントするときは、
衛生面を不安にさせる要素がないか?
安全に食べられる状態か?
今いちど、衛生管理を見直して
みて下さい。

また、これからお菓子を仕事にしたい方は、

気づいたことがあれば、取り入れていただけると幸いです。
 
 
 

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プロフィール紹介
幸せつなぐパティシエ
とくもと さとこ

「趣味のお菓子づくりからプロの仕事に変える」
をコンセプトに
お菓子を仕事にしたい方向けのお菓子教室を運営。

製菓理論をしっかり身につけながら
「日本の地元素材を生かす」にフォーカスした
お菓子づくりを学ぶことで、

・オリジナルレシピ生み出すスキル
・失敗の原因を自分で解決するスキル
・安定した仕上がりの再現するスキル

を身につけます。

「売れるお菓子」を開発し、
お客さまに届けるまでをゴールにサポートしています。

お菓子教室18年目。
のべ3800人を指導してきた経験を生かし

特に「おひとりさまお菓子起業」を
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